サンパウロで犬に噛まれたら…
2012.01.08 up
犬に噛まれた後、サンパウロ市のパスツール研究所で受診者が渡される登録カードと、噛まれてから10日間、犬の観察を指示するカード
昨年末、飼い主をよく知らない犬に噛まれました。犬に噛まれることなど考えたこともなかったので、どうしてよいか分かりませんでしたが、人からの強い勧めで、まずは近くの公立の救急病院に行きました。その公立病院は24時間急患に対応していますが、狂犬病には対応できないということで、応急処置だけ受けることになり、市内にあるインスティトゥート・パステルInstituto Pasteurという機関を紹介されました。
Instituto Pasteurはその名の通り、狂犬病をはじめとする様々な感染病を研究し、予防接種も行えるパスツール研究所です。この研究所は一年中応対してくれますが、午前8時から午後8時までということで、深夜の場合は公立病院では市内各地にある4ヵ所の救急病院が24時間、狂犬病にも対応しています。
パウリスタ大通りにあるパスツール研究所
あまり心配しないようにと言われ、まずは10日間、かんだ犬を観察し、死んだり異常な病状が現れていないか確かめるように言われ、その様なことがなければ、問題ないとのことでした。死んだ場合は、狂犬病で死んだかを確かめるのも重要であるとの事でした。
もし10日間以内に犬に異常が見られたら、再びパスツール研究所に行って、ワクチンを打つなど、必要な処置を行うということでした。犬に異常がなければ、その事を指定の電話番号に報告するようにと言われ、受診番号が登録され、観察期限の期日や応対した医者のサインの入ったカードが渡されました。
野犬にかまれた場合や無理にお願いしたり、担当者によってはワクチンをすぐに打ってくれるようですが、現在、飼い犬の場合は、まずは観察するのが一般的な対処法となっています。
ブラジルではペットに狂犬病の予防注射が行われています。近くのペットショップ(有料)でも行えますし、各自治体の保険局が地域ごとに無償で予防接種を行う日もあります。
サンパウロ市の保険局に尋ねたところ、サンパウロ市では昨年(2010年)には狂犬病の発症者が報告されておらず、過去約15年間も発症例が報告されていないようです。
数年前にはサンパウロから約3000キロ離れたパラ州で吸血コウモリから狂犬病になり、10人以上の死亡者が出るニュースなどがあり、ブラジルは狂犬病の発症が皆無ではありません。サンパウロは国内外から多くの人が出入りする土地であり、いつどんな病気が持ち込まれても不思議ではありません。
死に至る危険な感染病ということで、犬や猫など、特に飼い主がよく分からない動物に身体を傷つけられた場合は、早急に医療機関に受診するべきで、サンパウロ市内の公の機関では以下の5ヵ所が応対してくれます。
【狂犬病に応じるサンパウロ市内の機関】
・Instituto Pasteur(8h~20h)
以下は24時間の公立の救急病院
・Prontos Socorros Municipais de Santana
・Prontos Socorros Municipais de Santo Amaro
・Prontos Socorros Municipais de São Miguel Paulista
・Prontos Socorros Municipais de Pirituba.
【サンパウロ市のパスツール研究所のサイト】
http://www.pasteur.saude.sp.gov.br/
【ブラジル日本大使館によるブラジルでの感染病の報告】
http://www.br.emb-japan.go.jp/nihongo/iryou/tokubetsu8.htm#4
州の保険局が狂犬病の予防接種を行う案内(2009年8月)
パウリスタ大通りにあるパスツール研究所
飼い主の分かりにくいペットもたくさん顔をだしています
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