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インタビューを受けるＷＢＣの本大会に出場するブラジル・チームの監督バリー・ラーキン氏（2月2日）
ブラジルはサッカー王国だけに、野球の人気は、日本や米国とは比較にならないほど低いのが現状です。
そんな中、ブラジルのナショナルチームが初めて2013年のＷＢＣ（ワールド・ベースボール・クラッシック）に出場するという事で、ここ数週間、ブラジルの大手メディアがチームを取材して報道する状況が目につくようになりました。
選手に語りかける佐藤允禧（みつよし）氏（2月2日）
12日を挟んだカーニヴァル休暇の前から強化合宿が行われ、カーニヴァル明けからも日本に出発する21日まで調整が行われます。
ＷＢＣに参加するブラジル野球チームの本部は、サンパウロ市から約70Ｋｍ内陸にあるイビウーナ市のヤクルト球場です。この球場にはヤクルト・ベースボール・アカデミーがあり、13歳から17歳の少年たちが日々練習に励んでいます。
ヤクルト・ベースボール・アカデミーでは3年前から、ブラジルで野球が普及する可能性を見越して、米国のメジャーリーグから指導者が来るようになりました。その関係から昨年にＷＢＣの予選に招待され、パナマでのリーグ戦に出場し、見事本大会の出場権を獲得することになったということです。
ＷＢＣ本大会のブラジルチームの監督は、メジャーでも殿堂入りしているバリー・ラーキン氏です。28名の出場選手の内、22名はヤクルト・ベースボール・アカデミー出身で、現在はブラジル、日本、米国などでプロ野球や社会人野球で活躍しています。コーチ陣も6人の内2人はヤクルト・ベースボール・アカデミー出身です。そして、コーチの一人として参加する佐藤允禧（みつよし）氏（66歳）は11歳で日本から南米に移住し、若いころから選手や指導者としての経験を重ね、現在は2000年に開設されたヤクルト・ベースボール・アカデミーの校長を務められています。
ブラジルのヤクルトがＷＢＣ出場に貢献しているとはいえ、ブラジルでの野球は、1908年より公式移民が始まった日本人の間で最も親しまれ、ブラジル社会に少しずつ広まってきたことが知る人ぞ知るブラジルの野球史です。ＷＢＣに出場する選手の国籍はブラジルですが、ヤクルト・ベースボール・アカデミーでは佐藤校長を「センセイ」と呼ぶ光景もおなじみです。
福岡ドームで行われる3月2日のブラジルの初戦相手は日本です。ブラジルの野球史を少し掘り下げてみると、異国間の戦いとは思えない、兄弟対決のような感動も覚えられそうです。
【ＷＢＣの試合予定】
http://www.npb.or.jp/wbc/2013schedule.html
ヤクルト・ベースボール・アカデミーで指導するメジャーからのコーチ陣やラーキン監督（2月2日）
ＷＢＣの強化合宿で選手の動きを観察するブラジル・チームのラーキン監督（2月2日）
2013年のWBCに参加するブラジルチームのコーチたち（2月12日）
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