日本人の思いやりとイタリア人の思いやり
2013.04.11 up
お正月はやっぱり浅草寺
今年のお正月にイタリア人の主人と日本に帰った時のことでした。
東京の浅草に両親が住んでいるので、日本に里帰りする時は実家に泊まります。
決して大きいとは言えない、10階建てのマンションの2階が我が家です。
マンションの入り口のドアを開けると、まず管理人さんが常駐するカウンターがあります。
そしてオートロック式の入り口を入ると、日本らしい禅の庭とシンプルなロビーのようなものがあり、
小さいながらも小洒落たマンションのため、うちの主人も気に入っているようです。
その中程にはまず、階段があり、そしてその横に小さなエレベーターがあります。
買い物袋などを持っていると2人でいっぱいになってしまう程の小さなエレベーターです。
ある日、私達の前を同じマンション住むご婦人が、買い物袋を2つぶら下げて入り口を入っていきました。
そして私達もそのあとに続いて入っていきました。
私達の足音に気付き、そのご婦人は後ろを振り向かれると笑顔とともに上品な軽い会釈をし、そしてすごいスピードで階段を上っていかれました。その方はいつも軽い会釈を交わす程度の3階に住んでるご婦人でした。
そこでイタリア人の主人は言いました。
『なんで、僕たちを見て逃げるようにして去って行ったのかな』と。
『イタリアだったら、まずは挨拶して、狭くてもなんとか一緒に(ほとんど無理矢理に近い)乗っていきましょうよ!となるところなのに、なんで挨拶もそこそこに僕達から逃げてしまったんだろう。。。』と。
私は、『あれはね、日本風の気の使い方なのよ。買い物袋を持って一緒に乗ったら狭くて私達に迷惑がかかってしまう、もしくは私達がエレベーターをどうぞお使い下さいと譲ってくれてしまうだろうと思って、気を使って、私達にエレベーターをどうぞと譲るために、素早く階段を上って行かれたのよ。』と説明をしました。
この奥ゆかしい、相手を思いやる気の使い方は、Ciao(チャオ)とほっぺた同士をくっつけて出会いにも別れにも挨拶するイタリア人にとっては理解をするまでに多少時間がかかったようでした(笑)
日本文化とイタリア文化、ある意味では反対に近いものがあり、おもしろいですね。
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