メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 やってきました、7月25日、「タストアン」の祭り当日です。

 数年前まであまりきちんとまとめられていなかったこの祭り。たしか、私が初めてこの祭りと出会った6年前は、「適当」に市役所前で行い、「適当」に街中で悪魔たちが走り回り騒いでいたのを覚えています。それが今では、トナラを代表する祭りとしてちゃんとしよう!と、実行委員会が作られ、市役所前の広場には仮設スタンドで観客が見物できるようになっています。


ぎらつく日差しもなんのその。

ぎらつく日差しもなんのその。

市民が5ー60人ほどで1チームを作り、各チーム「戦いを見守る女神」一人、「賢者」3人、「白馬の聖サンティアゴ」役が4人、その他大勢の「悪霊」たちで、それぞれのチームがテーマを決めて踊ります。
 踊りというよりも、聖サンティアゴを威嚇する悪魔たちの雄叫び、大暴れ、という方が近いようです。ひとしきり、悪魔たちの言い分を聞いた後、馬から降りた聖サンティアゴはたくさん用意された木の枝をムチにして、悪霊たちを一人一人、鞭打っていきます。


普段は肉屋のおじさんも、かなりカッコよく見えます。

普段は肉屋のおじさんも、かなりカッコよく見えます。

 血気盛んな男衆の祭りには、いつも汗と血がつきもの。
 聖サンティアゴだって何十人もを相手に鞭打つのは大変です。
 打たれる悪霊の方は、長袖長ズボン兵隊のようなコートに長靴やブーツ、スボンの下には痛くないように段ボール紙を足に巻いたりする人も。
 いやいや、そんな甘っちょろいことは俺はやらないぜ、とほぼ裸に近い人もいます。

 




 悪霊役は代わる代わる、聖サンティアゴの前に躍り出て挑発をします。その挑発の仕方も、獣のようないななきを喉の奥から鳴らし、頭を前後に大きく振り、より猛々しく見えるようにしています。
何度もムチの音が響き渡り、聖サンティアゴが悪霊たちを倒していきます。そのムチを打つ姿の気高さ、格好よさ、強さが、聖サンティアゴ役の見せ場。 
 観衆たちも、聖サンティアゴと悪霊と、双方に大きな声援を送り続け、祭りは続きます。



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