メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 血気盛んな若者たちが扮する悪霊と、それを追い払う聖サンティアゴの戦いを描いたトナラの「タストアンの祭り」も、夕方になり勢いはピークに達しています。

 7月25日は朝から、市役所前の広場と、スペイン軍の侵攻以前に首都が置かれていた「女王の丘」で、子供チーム、大人チームに分かれてその戦いぶりが披露されています。

 この祭の起源は諸説あり、雨季になり雨とともに地面から湧いて出た悪霊たちを雨の使いでもある聖サンティアゴが成敗する、という由来や、原住民インディヘナと聖サンティアゴが率いるスペイン軍との戦いを由来としています。

 大トリとでも言えるのでしょうか、この祭の実行委員でお面講習会の先生でもあるフラックさん率いる「チーム・フラック」の出番となりました。


車椅子でだって、悪霊として参加します。

車椅子でだって、悪霊として参加します。

 勝利の女神には、フラックさんの4人いる娘さんの一人が立ち、車椅子の青年たちも悪霊に扮しています。

 先頭を切って踊り狂っているのは、フラックさん。
 いつもの温和で笑みの絶えない顔は、おどろおどろしいマスクの下に隠れています。フラックさんの衣装はほぼすべてが獣の毛皮。ヤギや牛の本物の毛皮を何枚も貼り合わせ、頭も大きく作られたお面をかぶり、いつもより随分大きな体格になっています。


全身に獣の毛皮をまとったフラックさん

全身に獣の毛皮をまとったフラックさん


ご近所にごあいさつ

ご近所にごあいさつ

 悪霊軍団が広場に進む途中、近所のおばあちゃんを威嚇するフラックさん。おばあちゃんもなんだかうれしそう。このあたりは、日本のなまはげにも似た雰囲気がみられます。

 悪霊たちの中には、漫才コンビのようなコミカルな「演技」をするものがいたり、行進の途中で一番盛り上がったのはそのチームの中でも一番悪そうな悪霊がのしのしと歩いている場面であったり。