オランダ

オランダ:ハーレム

倉田 直子(くらた なおこ)

職業…ライター
居住都市…ハーレム(オランダ)

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10月初旬、オランダ人の友人が住むアルクマール(Alkmaar)という街に遊びに行きました。
そして2人で街をぶらぶら歩いている際に、何やらお祭りの設営のようなものを見つけました。何の気なしに友人に「何かイベントでもあるの?」と聞くと、それはアルクマール住人にとって特別な行事にまつわる設営だと教えてくれました。


事の発端は、16世紀にまでさかのぼります。当時のオランダは独立した国家ではなく、スペイン・ハプスブルグ家の支配下にありました。プロテスタント(オランダ)とカソリック(スペイン)との宗教対立もあり、スペイン王フェリペ二世は、プロテスタントを異端としオランダの民衆を弾圧したのだとか。
重税や自治権の制限まで課され、スペインの圧制への不満は、オランダの民衆(貴族や豪商含む)の間で大爆発。ついにはそれが80年にも及ぶ戦争(八十年戦争)を引き起こすのです。その八十年戦争は1568年から1648年にかけて行われ、最終的にオランダは勝利をつかみとり独立を果たします。
そしてこのアルクマールは、戦争初期の1573年10月8日に、激しい戦いの末にスペイン軍を追放することに成功したのだとか。


その勝利を記念して、400年以上経た今も10月8日は「アルクマール解放記念日」(Alkmaar Ontzet)と呼ばれ、街を挙げて盛大なお祭りが行われるのだとか。先ほどのイベント設営は、その「Alkmaar Ontzet」の一環だったのですね。

アルクマールだけではなく、ライデンという大学都市にも、同じくスペイン軍を追い出した記念日(1574年)10月3日を盛大に祝う習慣があるのだとか。日本での知名度は、この「ライデン解放記念日」(Leiden Ontzet)のほうが高いかもしれません。

参照記事:ライデンの解放記念日
http://www.holland.com/jp/tourism/article/leidens-ontzet-jp.htm

ライデン解放記念日も華やかなようですが、公式ホームページのプログラムを見ると、アルクマールも負けていません。音楽イベントはもちろんのこと、軍の音楽隊によるパレードや夜の花火まで予定されているようです。

400年以上昔の出来事でも、自分たちの街の独立を忘れずにいるのは素晴らしいですね。自治へのプライドと、街への愛を感じます。
これからは、国内の様々な街の歴史にも興味をもっていこうと思います。

参照ページ:Alkmaar Ontzet
http://8october.nl/




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