ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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書道教室で学ぶ「熟連」の高齢者ら

書道教室で学ぶ「熟連」の高齢者ら

 ブラジル日本移民の歴史は今年で108年になる。約24万人が大望を抱いて渡り、永住者のほとんどが70歳を超えた。9月19日は「敬老の日」。サンパウロ市の「ブラジル日系熟年クラブ連合会」(上野美佐男会長・略称『熟連』)を訪問した。


 前身の「ブラジル日系老人クラブ連合会」時代を含め、『熟連』は昨年創立40周年を迎えている。上野会長は不在だったが、畠中和廣事務局長の話によると、「会員は現在3千人弱でブラジル全国の47団体を統括している。名称を変更したのは7年前。移民の高齢化が進み会員が減少したので、会員増を考え、年齢に幅を持たせました。教室は俳句、体操、書道など18あります」という。


 取材した9月9日午後、書道教室が開かれていた。参加者26人のうち女性は日本人19人、日系2世3人、非日系1人で、男性は3人だけだった。
 参加者の中に北海道出身の女性がいた。中村一江(旧姓石渡)さん(75)。留萌管内の羽幌町出身。「6歳から12歳まで7年間住みました。その後、コチア青年移民と結婚しサンパウロ市に住んでいます。この教室には3年間通っている」とのこと。ちなみに、北海道からブラジルへの移住者総数は合計16,261人で都道府県別だと全国4位だ。


書道の指導をする若松さん

書道の指導をする若松さん

 書道教室は毎月2回開く。指導者の若松孝司さん(85)は「生徒の皆さんは努力家ばかり。75歳以上が多い。上達も早い。高齢になったら何かに熱中するのがいい」と、常に微笑み、声はでかく、口調も滑らか。


 ブラジルの日系社会は2、3世が主流の時代を迎えている。日本国籍所有者は5万人強で年々減少傾向だ。しかし、「謙虚さ」、「思いやり」の日本の文化は日本語を話さない次世代へも確実に受け継がれている。


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