ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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ほうろうびきコップに注ぐお一人様用布ドリップコーヒー

ほうろうびきコップに注ぐお一人様用布ドリップコーヒー

 コーヒーの生産大国ブラジル。その飲み方は最新のマシンから家庭用のコーヒーメーカー、ごく一般的な紙ドリップ、鍋で煮出す方法まで、習慣や好みで様々な方法で抽出して飲まれています。

 ブラジルの庶民の家庭やバール(パン屋さん等で併設されている飲食店)で、根強い人気がある抽出法の一つは布ドリップです。

 飲食店や家庭で布ドリップで抽出する場合は、大き目のこし布でたくさんの人が飲める量を抽出し、保温容器でストックするのが一般的です。


ミナスジェライス州特産のぺドラサボンの容器に入った砂糖とほうろうびきのコップに注がれたコーヒー

ミナスジェライス州特産のぺドラサボンの容器に入った砂糖とほうろうびきのコップに注がれたコーヒー

 特に良質なコーヒー豆の産地であるミナスジェライス州でおなじみの飲み方の一つは、布ドリップしたコーヒーをほうろう引きのコップでいただくというスタイルです。まさにコーヒー園で働く人々が素朴に一杯するコーヒーというイメージがしっくりきます。

 日本でコーヒーというと、喫茶店や家庭なら陶器のカップで、フランチャイズ店なら店のブランド名の入った使い捨て容器で飲むというようなイメージで、簡素なほうろう引きの容器で飲むというのは少しイメージに合わない気がします。コーヒーの飲み方にその土地の伝統や文化、好みが表れています。 


ほうろうびきコップに注ぐお一人様用布ドリップコーヒーの見本

ほうろうびきコップに注ぐお一人様用布ドリップコーヒーの見本

 昨今はエスプレッソマシンや大量に布ドリップしたコーヒーを出す店が多い中、お一人様用の布ドリップで入れてもらえる店もあります。サンパウロ市内ではミナスジェライス州の商品を扱うお店がこだわりでお一人様用布ドリップでコーヒーを出しているのを見かけました。

 味もさることながらあえてアナログなスタイルにこだわり、のんびりとした田舎の情景が浮かび上がるような雰囲気に、すっかり飲まされてしまいます。砂糖入れもミナスジェライス州特産のぺドラサボンで作った容器で、ブラジルコーヒーの中でもミナスジェライス州スタイルのコーヒーの飲み方といった様相です。

 趣を感じさせるお一人様用布ドリップとほうろう引きのコップセットは、サントス市のコーヒー博物館でもお土産になっているくらい、ブラジルを代表する飲み方のスタイルの一つです。


サントス市のコーヒー博物館で販売されるお一人様用布ドリップとほうろうびきコップのセット

サントス市のコーヒー博物館で販売されるお一人様用布ドリップとほうろうびきコップのセット



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