ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

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一面、緑のじゅうたん

一面、緑のじゅうたん

 ブラジルは世界有数の大豆生産国で、1位のアメリカと肩を並べるほどだ。
 ブラジルの生産量は1億トンに届いたとみられ、ほぼ米国と同じ。近年中に追い抜くだろうとの専門家の見方だ。ちなみに、日本の生産量は23万2000トンで世界18位。


農道と大豆畑

農道と大豆畑

 理由は、広大なセラード地域が日本国土の5倍の広さで未開の土地がまだあること。セラードとは、高さ2~3メートルほどの自然の低木が所々に立つ草原地帯をいう。手つかずのままあったのを、農地に代えたのは日本だ。


大豆の実

大豆の実

 従来、日本は大豆輸入を米国に依存していた。1973年、米国の輸出規制により値段が暴騰し、同国に頼れなくなった。田中角栄首相(当時)はブラジル政府との間で共同開発に乗り出す。日本の商社がこぞって大豆確保のため資金を投入した。主な栽培地はリオグランデ・ド・スール、マットグロッソ、バイーア州など。中国の消費が著しく9500万トン(日本は300万トン)を諸国外から輸入している。


 大豆生産地マットグロッソ州のシノッピ、ソヒーゾとバイーア州を取材で2度訪れた。10~12月の作付け時期には赤茶けた土地だったが、生育期には緑一面の平原に様変わりして灌漑設備も整っていた。収穫は3~5月に行われる。


 問題は搬送だ。現在もトラックで大量の大豆が港まで運べない。重量オーバーで道路は傷み、輸出港近くはトラックの行列だ。さらに、生産地と港の距離が1500キロも離れている。鉄道輸送への改善が叫ばれるが一向に進まない。
 世界5位で日本の23倍の国土面積を持つブラジル。農業経済改革は焦眉の急だろう。生産は増大一方で消費も上昇中だ。政府は港、道路、運搬方法に即取り組んでもらいたい。


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