メキシコ

メキシコ:グアダラハラ

龍崎 節子(りゅうざき せつこ)

職業…民芸品輸出、撮影コーディネート、通訳翻訳
居住都市…グアダラハラ(メキシコ・ハリスコ州)

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 メキシコの隣国アメリカ合衆国でトランプ氏が大統領に就任してから一週間。すでにあちこちにて影響が出始めています。

 両国国境の税関では、メキシコ各地から農産物を大量に搭載したトラックが立ち往生。理由はアメリカのNAFTA脱退による関税の大幅値上げ。
 つまり、従来の手続き通りに書類を持った運転手さんが、たくさんの新鮮な野菜や果物をメキシコから運んで国境を入ろうとしたところ、入国が拒否された、というわけです。

 積荷は全て生物。一刻も早く消費者に届けたい。でも入れない。


輸出できずに戻ってきたトマト

輸出できずに戻ってきたトマト

 一部報道では、ハリスコ州からのアボカド1000tに対して、カナダ政府が「喜んで買い取ります」と流れ、捨てる神あれば拾う神とはまさにこのこと。

 一方、メキシコ市民たちも、生産者及び関連業者が大混乱をきたすことに危惧し「仲間を救おう!」と決起。積荷を積んで都市部に戻らざるを得なかったトラックを大きな公園に集め、SNSで呼びかけ、新鮮な果物や野菜を格安で売りさばく作戦に出ました。

 私の住んでいる町内会でも一斉に写真付きでメッセージが流れており、市民隅々まで情報が行き届いているようです。


市民たちが生産者を助けようと列を作ります。

市民たちが生産者を助けようと列を作ります。

 アメリカに拒否されたトマトが1kgで5ペソ(スーパーでは1kg15ペソ)、バナナ、卵、鶏肉などが、集まった市民たちにどんどんと大量に売られていきます。

 この他にも、大統領就任わずか2日目には、メキシコ人に今まで発給されていたアメリカ入国ビザの有効期限10年が2年と急遽変更されたり、「壁」についてはメキシコ大統領がトランプ政権に向かって世界で初めてNOと声を張り上げて拒否したり。

 市民レベルではこの「戻ってきた野菜たち買い上げ運動」のほかに、「アメリカ資本での不買運動」も行われております。アメリカ資本のスーパーやレストラン、商品の不買を行うことで、自分たちの声を実としてアメリカ政府に見せよう、というわけです。

 わずか100年前に市民革命を成し遂げた国メキシコ。
 先だってのガソリン高騰と相まって、この大きな流れはどこにどう流れて行くのか、じっくりとお伝えしていきます。




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