ブラジル

ブラジル:サンパウロ

日下野 良武(くさかの よしたけ)

◎職業;ジャーナリスト、ブラジル文化研究家
◎居住都市;サンパウロ市(ブラジル国)

前の月へ

2024.4

次の月へ
S M T W T F S
 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30     

交通道徳はどこへ?(サンパウロ市内で)

交通道徳はどこへ?(サンパウロ市内で)

 ブラジルの昨年の交通事故死者数は中国、インド、ロシア、米国に次ぐ約3万7000人―。死亡事故多発の原因は不注意、信号無視、飲酒運転、不適切な追い越し、居眠り運転などが挙げられる。筆者はサンパウロ市在住35年になるが、ブラジル人は大ざっぱで物事にこだわらない人が多く、市内では運転者も歩行者も交通道徳を守らない。


 まず、ドライバーのマナーが良くない。右左折時にウインカー(方向指示器)をつける人が少なく、車が直進するのか曲がるのか、分かっているのは運転する本人だけ。急な車線変更や割り込みなど枚挙にいとまがない。クラクションを鳴らして注意すると、違反者が窓を開けて「うるさい!」と反撃してくる。正当不当の問題よりまくし立てた方が勝ちなのだ。飲酒運転も多いと聞く。事故発生以外、道路での検問をほとんど聞かない。市内の制限速度は時速50キロ。監視カメラ設置が進み、高額罰金にスピード違反は減少した。


 歩行者の行動にも問題がある。車道では、車が近くを通過しなければ、平気で柵を乗り越えて横切る。歩道があるのになぜか車の間を歩く。荷車を引く人もいる。歩道では黄信号になってから走り渡る若者、高齢者は歩くのが遅く、青信号中に渡り切れない。いつも最後に車とぶつかりそうになる。こんな交通事情だから、事故が起こるのは当たり前か。


 先月、十勝を訪れた。「とかち帯広空港」から車で十勝川温泉へは、ほぼ平たんで真っすぐな道だった。ブラジルも、地域の街道は同様で一直線。違うのは、船に乗って縦揺れの船首で前方を眺めながら、大波の中を前進する感じだ。下り坂から一気に上り坂に差し掛かる真正面の風景は、車が天へも昇りそう。こんな舗装道路で運転するときは、くれぐれも居眠り運転に注意したい。
 家を出たらドライバーも歩行者も交通法規を順守しましょう。



レポーター「日下野 良武」の最近の記事

「ブラジル」の他の記事

タグ:サンパウロ

  • 732 ビュー
  • 0 コメント

0 - Comments

Add your comments

サイト内検索

Name(required)

Mail(will not be published)

Website

Archives