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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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アメニモマケズ準備します

アメニモマケズ準備します

 昨年、卒業式前の恒例行事の一つとして、台北市立内湖高級中學(以下、内湖高中)の水風船大戦を紹介しました(下記URLをご参照ください)。

http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=20166122119

http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=20166121106

 今年も5月16日に行われましたので、その様子を紹介します。


黙とうを行いました

黙とうを行いました

 今年は、昨年と違い、協賛企業の広告活動と取材に訪れるマスコミがなく、小規模の開催となりました。

 行事を管理している担当の先生の話では、環境保護の視点と世界各地で見られる内戦で難民になり、日々の生活、特に飲食で苦しむ人たちがいる中、水資源を無駄遣いしているように見える行事を大々的に行っていいものか、と悩んだそうです。

 しかし、1990年から続いている行事で、入学時から楽しみにしていた卒業生も少なくないことから、卒業式実行委員会の代表者が学校側と話し合いを重ね、世界情勢、社会情勢を鑑みながらこの行事を行えることに感謝することを念頭に、水風船を作る時間を減らし、規模を縮小して行うことにしただけでなく、昨年まで行ってきた対外的アピールも控えたそうです。


天高く水風船を上げます(手前側は校長はじめ、 PTA会長ら来賓)

天高く水風船を上げます(手前側は校長はじめ、 PTA会長ら来賓)

 その表れとなったのが、2枚目の写真にある黙とう。難民になり、日々の飲食に苦しみ、亡くなった世界中の方々だけでなく、その中で自分たちが当たり前のように生活できること、その「当たり前」の中で、こうした行事を行えることに感謝する意味で行われました。

 黙とう後は、昨年と同じ要領で水風船を空高く投げ、その後横へ向いて相手にぶつけるように投げ、水風船大戦がスタートしました。


大戦中の様子

大戦中の様子

 写真では分かりにくいですが、当日の朝は土砂降りに近い強い雨が降っていて、傘を差して様子を見ていた私のジーンズの裾の部分と靴が30分足らずでびっしょり濡れてしまうほどでした。

 それでも、卒業生たちの熱気は収まらず、水風船が豪快に飛び交っていました。困ったことに、私の所に流れ弾が飛んできて、目の前で割れた水風船の水がジーンズに豪快にかかり、大雨と合わせ、「やめてくれ~」という感じでした。


最後は、しっかり後片付け

最後は、しっかり後片付け

 水風船合戦は大体20分ほどで終わりますが、最後の後片付けも重要。卒業生だけでなく、在校生の補助スタッフ、担任教師、行事担当の教師も一緒に行い、学習環境を守るだけでなく、環境保護教育にもつなげる意味でも行います。

 片付けの後は、泥汚れを水流の強いホースの水で洗い流して行事を締めくくりました。

 規模の大小、その意味に関係なく、卒業生が高校生活最後の思い出を笑顔で残せる機会があるのは決して悪いことではいない思います。その過程で、学校全体で実施の意味を求め、答えを出した内湖高中の努力はしっかり伝わってきました。

 学校側は、この行事を行うことによる外部からの批判を恐れている感じですが、これも「時代の変化」というものなのでしょうか。


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