ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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「カフェ・コン・ガット」で猫を眺めながらコーヒーを飲むお客さん

「カフェ・コン・ガット」で猫を眺めながらコーヒーを飲むお客さん

 1990年代に日本ではやり始めたキャッツカフェ。それから遅れること10年以上。日本のキャッツカフェにインスピレーションを得て、2014年5月にオープンしたのが、サンパウロ州ソロカーバ市にある「カフェ・コン・ガット」です。ソロカーバ市はサンパウロ市内から約100キロ離れた地方都市です。

 「カフェ・コン・ガット」は日本でイメージするキャッツカフェとは少し異なります。魚を飼う「水槽」をヒントに、ガラス張りの部屋を猫たちのスペースにし、その情景と隣り合わせでおいしいコーヒーと軽食でひとときを過ごせます。


「カフェ・コン・ガット」の経営者であるファビアーナさんとジャクソンさん

「カフェ・コン・ガット」の経営者であるファビアーナさんとジャクソンさん

 水槽風の部屋を置くキャッツカフェが考案されたのは、ブラジルならではの事情がありました。

 猫好きが高じて「カフェ・コン・ガット」の経営を始めたファビアーナ・リベイロさん(35)は「本当は日本のような放し飼いのタイプにしたかったのですが、ブラジルのレストラン経営の衛生基準では認められず、ブラジルの慣習では動物がテーブルに上ることも受け入れられません。それで、水槽をヒントにガラス張りのネコの部屋を設置することに決めました」と、オープンまで試行錯誤したことを振り返ります。

 結果的に、このスタイルなら猫好きな人も苦手な人もゆっくり過ごせるというメリットがあり、幅広いお客さんがくつろぎのひとときに常時来店しています。


「カフェ・コン・ガット」にある猫の部屋

「カフェ・コン・ガット」にある猫の部屋

 「ネコ好きな人からは抱っこさせてほしいと言われることもありますが、残念ながらそれはできません。それで、3カ月に一度だけ、来店したお客さんの中から抽選で3人、猫の部屋でヨガ教室を実施するようにしました」と、営業を手伝うご主人のジャクソンさんも、少しでも猫好きの要望に応えたいと日々工夫を重ねています。

 「カフェ・コン・ガット」にはブラジル全土からも愛猫家が訪れるほか、サイトも交流の場となっており、リンクされる捨て猫の里親探しのようなニュースにも多くのアクセスがあります。

 オープンから3年。6匹の猫のいる部屋から始まり、現在はエスプレッソやカプチーノなど、コーヒーのメニューに関連付けられた名前の10匹の猫がいます。「猫たちは家族」というファビアーナさんの自宅には、さらに8匹の猫も暮らしています。

 昨年末には近郊のカンピーナス市にもフランチャイズ店がオープンし、ブラジルでもキャッツカフェに関心を持つ人は少なくありません。

 ファビアーナさんの猫への情熱が店内の至る所で感じられる「カフェ・コン・ガット」。かわいい猫はもちろん、高品質で幅広いコーヒーメニューの他、ヴィーガンメニューや全粒粉を使用したこだわりの軽食メニュー、ファビアーナさんがセレクトした猫グッズも名物で、町で人気の観光スポットになっています。


ソロカーバ市内にある「カフェ・コン・ガット」

ソロカーバ市内にある「カフェ・コン・ガット」


「カフェ・コン・ガット」のピンガード(雑種)とカプチーノ(ベンガル種)

「カフェ・コン・ガット」のピンガード(雑種)とカプチーノ(ベンガル種)


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