ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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グアバのジャムを挟んだボーロ・デ・ホーロ

グアバのジャムを挟んだボーロ・デ・ホーロ

 「これぞブラジルロール!」と言えるお菓子が、ブラジルでは「ボーロ・デ・ホーロ(Bolo de Rolo)」と言われるロールケーキです。

 「ふわふわの生地に雲のようなふんわり生クリームがたっぷり!」という昨今の日本風ロールケーキは一般的ではありませんが、ロールケーキの元祖とも言えそうなボーロ・デ・ホーロはブラジルらしいお菓子の一つです。


細めのボーロ・デ・ホーロ

細めのボーロ・デ・ホーロ

 オーソドックスなボーロ・デ・ローロは、作るのに繊細さが求められるのが特徴です。3ミリから5ミリくらいまでのごく薄い生地に、ゴイアバーダ(グアバ)のジャムや溶かしたチョコレートなどを全体に伸ばし、くるくると巻いていきます。

 薄い生地を全体にむらなく巻き、切った時の断面がバウムクーヘンのように可能な限り幅を狭くしたくるくる模様になっているのがポイントです。ケーキ全体が太いものもあれば細いものもあります。


ミニサイズのボーロ・デ・ホーロ

ミニサイズのボーロ・デ・ホーロ

 ブラジルのお菓子の代表的な一品でありながら、幅の狭いくるくる状のボーロ・デ・ホーロは、比較的中上流層向けの人が通うスーパーやパン屋さんでしか見かけられません。庶民層向けのボーロ・デ・ホーロは、二重、三重にしかぐるぐる巻きがありません。

 植民地時代(1500-1821年)のブラジルは、当時貴重だった砂糖のヨーロッパへの供給地でした。その頃、修道院のシスターがお菓子づくりの担い手であった他、作るのは奴隷でした。より繊細なお菓子は貴婦人向けに作られていたのかもしれません。

 そうした時代の名残もあるのか、今もどちらかと言えば中上流層向けの店でしか一手間かかる幅の狭いぐるぐる巻きロールケーキは販売されていません。

 見た目もグアバのジャムを挟んだ味もブラジルならではのボーロ・デ・ホーロ。日本からお土産にカステラを持ていくような感覚で、日本へのお土産にボーロ・デ・ホーロを選ぶというのも選択肢の一つかもしれません。


伝統的なボーロ・デ・ホーロのレシピ

伝統的なボーロ・デ・ホーロのレシピ



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