ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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様々な人種や民族の人形が皆でキリストの誕生を見守っているプレゼピオ

様々な人種や民族の人形が皆でキリストの誕生を見守っているプレゼピオ

 クリスマスが近づくと、クリスマスツリーやサンタクロースの人形と同じくらい一般的でよく見かけるのがプレゼピオ(キリスト生誕の場面を表した像)です。

 カトリックの伝統が浸透しているブラジルですが、ヨーロッパ風のプレゼピオではないユニークなデザインの作品を集めた特別展『職人たちと彼らのプレゼピオ』が、11月30日から来年1月4日まで、メトロ・チラデンテス駅構内の宗教美術博物館(Museu Arte Sacra)のミュージアムで開かれています。(時間: 火ー日/ 9hー17h
入場: 無料)


ブラジルのアフロ系文化カンドンブレのデザインが反映されているプレゼピオ

ブラジルのアフロ系文化カンドンブレのデザインが反映されているプレゼピオ

 サンパウロの職人が伝統的なイエスさま到来の場面を革新的な方法で称えるというのが一つのコンセプトです。

 35のプレゼピオの作品は、人形を中心に絵や編み物などもあります。

 ユニークである理由の一つは、ブラジルで身近な素材や廃材なども利用されているということです。例えば、洗い物で利用するヘチマタワシやスチールウール、他にもトウモロコシの皮などがプレゼピオでアートに生まれ変わっています。


ヘチマタワシで作られたプレゼピオ

ヘチマタワシで作られたプレゼピオ

 登場人物の姿で言えば、アフロ系、インジオ、ヨーロッパ系の姿で表されたマリア様とヨセフ、キリストの像もユニークです。

 インディオの姿のプレゼピオは、『啓示の矢』というタイトルで、キリストが矢に見たてられています。インディオの世界では、キリストと同じくらい弓矢が聖なるものであるということが表されているのでしょうか。

 さらに、ブラジルを象徴しているといも言えるのは、様々な人種や民族の人形が皆でキリストの誕生を見守っているプレゼピオです。

 宗教とアートが一体となって平和を感じさせる親しみやすい作品が生まれるのもブラジルらしいクリスマス風景です。


キリストが矢に見たてられた『啓示の矢』というタイトルインディオ像のプレゼピオ

キリストが矢に見たてられた『啓示の矢』というタイトルインディオ像のプレゼピオ


スチールウール製のプレゼピオ

スチールウール製のプレゼピオ


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