ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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グルッポ・アマールとNGOアフリカ・ド・コラソンから寄付を受け取る移民の男性

グルッポ・アマールとNGOアフリカ・ド・コラソンから寄付を受け取る移民の男性

 3月23日からの外出自粛要請で、経営者は仕事ができない、もしくは規模や時間の縮小を余儀なくされ、従業員に給料が払えない。そして、その従業員たちも預貯金がない人々は今食べる食料や必要な衛生用品も購入できない、という状況が既にサンパウロで訪れています。

 経済力の格差社会であることをまともに目にするサンパウロですが、困った人たちがそう簡単に見捨てられることもないという、慈愛にあふれた人々の行動力が社会を救っているのもまた事実です。


 今、ブラジルの低所得者層の中には、ブラジル人だけでなく、近年ブラジルに渡って来た難民や移民が含まれています。彼らの出身地は多くがアフリカ、中東、中南米などです。

 難民や移民の人々は非正規雇用やフリーランス、個人事業主が圧倒的に多く、資金力も十分ではありません。コロナウイルスによる外出自粛が始まって以降、大半の人が仕事ができず、その日食べる物さえ購入できなくなってきています。

 その様な状況にある人へ愛の手をという事で立ちあがったグループの一つが、草の根活動を行っている「グルッポ・アマール(愛するグループ)」です。同グループは4月11日、難民と移民を支援し、世界約27カ国、数百人の難民や移民が関わるNGOアフリカ・ド・コラソンと提携して、セスタ・バジカ(基本の食料品のセット)と衛生用品のキットを60家族へ寄附しました。


セスタ・バジカの中身

セスタ・バジカの中身

 寄付を受け取れるのは登録制で、サイトの案内を見て登録した人が指定の時間と場所で受け取ることができました。
 
 セスタ・バジカには5キロのお米や1キロのフェイジョン豆、小麦粉、ココア、砂糖、塩、ビスケット等、保存食が入っています。4人家族が1週間は飢えをしのげるかというような分量です。衛生用品のキットは、世帯ごとの大人一人ずつにシャンプー、石けん、歯ブラシ、歯磨き粉、アルコールジェルが配布されました。

 多くの難民や移民は出身国の情勢の悪さからやむを得ずブラジルに移ってきた人も少なくありません。コロナウイルス危機で経済的には大変でも、前向きに支え合いながら過ごしている光景が印象的です。

 ハグ、キスが大好きなブラジルの人々ですが、今はさすがに感染を恐れて外ではハグもキスもできません。それでも接触したいホットなブラジルの人々の間で出現しているコミュニケーションは、足と足を合わせるあいさつです。


足と足を合わせて握手替わりのあいさつ

足と足を合わせて握手替わりのあいさつ

 困っている人々を絶対に見捨てない思いやりの精神のある人々で、ブラジルの人々はこれまでも数々の危機を乗り切ってきたんだろうなと思う、危機の時だからこそ優しい気持ちにさせられる人々の営みがブラジルにはたくさん存在しています。グルッポ・アマールとNGOアフリカ・ド・コラソンのこの取り組みは、今回登録できなかった人へ改めて次回寄付される予定です。
【当日の様子のビデオは下記へ】
https://www.facebook.com/Africora/videos/2314655401971478/?epa=SEARCH_BOX


グルッポ・アマールとNGOアフリカ・ド・コラソンから寄付を受け取る移民の男性

グルッポ・アマールとNGOアフリカ・ド・コラソンから寄付を受け取る移民の男性


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