ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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NGOアフリカ・ド・コラソンに食料と衛生用品の寄付の申し込みをする行列

NGOアフリカ・ド・コラソンに食料と衛生用品の寄付の申し込みをする行列

 サンパウロでは3月23日から本格的な外出自粛が始まり、二週間の予定が5月10日までに延長されました。食料品店、薬局、病院、銀行、公共交通機関等、絶対に生活に欠かせない分野の仕事以外は休業や在宅ワークを余儀なくされ、労働時間も短縮されていることがほとんどです。

 その様な中、もっとも困難な状況に遭遇しているのが近年の難民移民です。

 コロナウイルスの問題が発生する以前から良い仕事が得にくく、物価の高いサンパウロでは生活しづらい難民や移民でした。彼らの多くが非正規社員やフリーランス、個人事業主として働き、外出自粛となってからはさらに大きな打撃を受け、ブラジル人の低所得者層の人々と同様に、食料品が買えなくなっている様な人も急増しています。


90%が外国籍の難民と移民である400家族が300室に暮らす元ホテルのビル

90%が外国籍の難民と移民である400家族が300室に暮らす元ホテルのビル

 サンパウロ市内には、経済力が低く、頼れる家族もいない人々が、使用されなくなった大型ビルで格安で生活している有名な場所が5カ所ほどあります。その中の一つ、メトロ・チエテ駅からほど近い場所で、約90%が外国からの難民、移民で占められているビルがあります。多くはアフリカ、中東、中南米から来てブラジルで生活を始めた人々です。

 このビルは以前はホテルでしたが税金が払えなくなり行政から差し押さえられた施設です。数年前から様々な事情で一般的な住宅を借りることのできない人々が暮らすようになり、現在は300室に約400家族が暮らしています。


NGOアフリカ・ド・コラソンの人々に困難な状況を訴える女性たち

NGOアフリカ・ド・コラソンの人々に困難な状況を訴える女性たち

 移民や難民を支援している教会などで生活したり出入りしたりしている難民や移民は、教会には行政や企業からの支援も届きやすく、外出自粛が始まってすぐから食事に困るというようなことは避けやすい状況でした。

 しかし、このビルの居住者は支援者もおらず、仕事も失い、文字通り今日食べるお米もない状況です。その困窮ぶりを知った難民と移民を支援するNGOアフリカ・ド・コラソンは、4月11日、先にインターネットで登録した60家族にグルッポ・アマールの寄付を受けてセスタ・バジカ(基本的な食料品の詰め合わせ)を配布した後、新たに現地でセスタ・バジカの受け取り希望者の申し込みを受け付けました。


ビル内の廊下

ビル内の廊下

 「早く仕事がしたい」
 「マスクがほしい」
 「食べるものが必要だ」
 今、ブラジルで今日食べる物にも困る人々の率直な意見です。

 感染の恐れで外出自粛が終わらない限り、この状況は変わりません。心ある人が差し伸べる愛の手とコロナウイルス、行政の判断の間での持久戦の様相を呈しています。


NGOアフリカ・ド・コラソンが食料と衛生用品の寄付の申し込みを受け付けた時のビルの前

NGOアフリカ・ド・コラソンが食料と衛生用品の寄付の申し込みを受け付けた時のビルの前


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