マリ人移民が愛飲するブラジル産煎茶の秘密
2021.06.14 up
マリ風緑茶を入れるアダマさん
「私たちはいつも緑茶を飲んでいます。特にこの緑茶が大好きです」
と言って、サンパウロ市内に暮らすアダマ・コナテさん(40、マリのバマコ出身)が見せてくれたのは、ブラジルで日本人移民が栽培して販売してきた緑茶(煎茶)のパック。
思いがけない話題に、「アフリカでもこの緑茶を飲むんですか」と、尋ねると、 「飲みます」とさらりと回答するアダマさん。
マリと同じ味の緑茶のブラジル産緑茶
ブラジル産緑茶ブランドの一つが「山本山(YAMAMOTOYAMA)」です。ブラジルで日本人移民が長年親しんできた商品でもあります。アダマさんは山本山のベストセラー商品を台所から持ってきて見せてくれました。
しかし、日本人の緑茶の入れ方と飲み方とは全く異なります。
アダマさんたちは、やかんに水と茶葉を入れて沸騰させ、10分ほどしっかりと煮出します。まさに煎じるという表現がぴったりです。そこに砂糖で甘さを加えます。好みでミントなども加えます。
さらに興味深いのは、お茶の注ぎ方です。やかんからお茶をガラスコップに高い位置から注いでは再びやかんに戻すことを5、6回繰り返します。そうしている内に、コップには泡が残ります。
泡が残ったコップに、最後はもう一度お茶を注いで人に出されます。「泡を立てる」という意味では、日本の茶道、抹茶の飲み方にも似ているとも言えます。
マリ風緑茶を持つアダマさん
「マリでもブラジルで日本茶として販売されている緑茶があり、飲んでいました」と話すアダマさん。
調べると、かつて、日本人移民が船でアフリカを経由してブラジルに移民した時、アフリカで緑茶の種を入手し、それをブラジルで栽培するようになったと言います。
ブラジルで飲まれている緑茶は日本やインドの種ではなく、アフリカ由来の種だという話も聞きました。そのため、日本で日本の緑茶に親しんでいた人からすると、何か少し異なる緑茶に感じることもあります。
しかし、その由来から、マリ出身のアダマさんにとっては、むしろブラジルの日本茶は郷里を思い出させる、とても満足できる味です。
マリ風緑茶
ブラジル在住の日本人には、日本産の緑茶やヨーロッパ産の紅茶などをお土産にすると喜ばれます。アフリカ出身の友人には、思いがけず、ブラジル産の緑茶が喜ばれます。味や飲み方は違っても、より高品質なお茶が喜ばれるのは万国共通に違いありません。
マリと同じ味の緑茶のブラジル産緑茶
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