サンパウロ市内からグアルーリョス国際空港まで、日本人は一般的に自家用車かタクシー、ウーバーなどで向かいます。タクシーなら約９０レアルから１２０レアル（約４５００円から６０００円）が現在の相場です。

　公共交通機関を利用すれば、以前はメトロ料金と地元のバスを乗り継いで片道約１３レアル（約２６０円）でした。そして、２０１８年４月からはメトロと接続する電車に乗り換えて、片道４．４レアル（約９０円）で利用できる空港エクスプレスが開通しました。

　サンパウロ市内のメトロと近郊の町を結ぶ電車は、メトロから電車への乗り継ぎも含めて現在は一律４．４０レアルで、空港エクスプレスもその一つのラインとなっています。
　
　サンパウロ市内から空港まで直通のエクスプレスは、始発のルス駅から執着のグアルーリョス空港駅まで、約３０分。５時から深夜０時まで一時間ごとに発車します。道中の町の景色を眺めていると、既に旅の始まりの気分を味わえるような雰囲気があります。

　グアルーリョス空港駅はターミナル１にあり、国際線のターミナル３やターミナル２へは無料バスが１５分ごとに出ており、約１０分で到着します。バスは、荷物があると乗客で満員の事もあり、少し不便な気はしますが、電車は快適で、バスも短時間なので我慢することはできます。

　とてもお得な価格の空港エクスプレスですが、日本人でサンパウロ市内からグアルーリョス国際空港まで、このラインを利用したという人はあまり聞きません。散歩で乗ってみたという人を聞いたことはありますが、本当に海外へのフライトで利用したという話は、実際にはいるかもしれませんが、少数派のためか聞いたことがありません。乗車しているお客さんも、半数は駅周辺の職場へ向かうような人々の印象です。また、旅行社も国内旅行の人々というような印象も受けます。

　日本人が海外渡航時にあまり利用しない大きな理由は、ブラジルではメトロや電車が急に停止することがあります。また時刻も信用できず、何かトラブルが起こることはいつでもあり得るという感覚があるからです。泥棒など、治安の問題も懸念されがちです。乗り遅れると大変な損失が出る海外へのフライトの場合は、より一層警戒感が高まります。

　しかし、試運転から4年近くが経ち、初めて利用してみると、思いのほか快適で価格も圧倒的にお得です。先進国と言われるヨーロッパの地方の空港からの電車以上に快適だと確信し、ブラジルでつい持ちがちな負の先入観が少し飛びました。

　荷物運びに余裕がある時は、ぜひ利用したいサンパウロの空港エクスプレスです。

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