陸のワカメで健康長寿
2022.02.13 up
収穫したオラ・プロ・ノビスを持つ中沢さん
「ミスター・オラ・プロ・ノビス」ことサンパウロ州アチバイア市在住の中沢宏一さん(78歳、宮城県出身)。その愛称のゆえんは、約5年前から健康に良いと聞いたオラ・プロ・ノビスを自らが実験台として食べ続け、78歳にして50キロの荷袋を毎日軽々と担ぎ、数年前よりも筋肉量がアップ。そして自慢の肉体美を披露するその雄姿には、老いも若きも、誰もがオラ・プロ・ノビス効果を無視することはできません。
市場向けにパッケージに詰めたオラ・プロ・ノビス
ブラジルのミナスジェライス州で長年食べられてきた植物がオラ・プロ・ノビスです。同州では昔から「カルネ・デ・ポブレ(貧者の肉)」「カルネ・デ・ベルジ(緑の肉)」との異名があり、実際、オラ・プロ・ノビスはプロテインの含有率が約25パーセント、ビタミンやミネラルも豊富なことが分かっています。
約7年前にオラ・プロ・ノビスの高い栄養価を知り、人生100年時代の健康長寿のスーパーフードと直感した中沢さんは、3年半前から1ヘクタールの土地に1万本を栽培し、その葉と新芽を本格的に販売しようと決意しました。しかし、その矢先にパンデミックに入ったため、一旦活動の停止を余儀なくされました。
今年に入ってワクチン接種も進み、各所で対面イベントも開催され始めました。中沢さんはパンデミック中も変わらずオラ・プロ・ノビスを食べ続け、自らの農園の力仕事に精を出し、より一層健康になったことを実感し、「これはやはりもっと広く普及させるべき食材だ」と、より強く確信しました。そして、今年に入ってから、オラ・プロ・ノビスを使った料理の試食会に力を入れるようになりました。
誰もが絶賛するオラ・プロ・ノビスのつくだ煮
アチバイア市の女性たちにも協力を仰ぎ、様々なオラ・プロ・ノビスの料理のレシピが集まりました。 オラ・プロノビスは生のままでも食べられますが、パスタやパン、ケーキといった洋風から味噌汁、筑前煮といった和風まで、幅広く適用できます。
「陸のワカメ」との表現がぴったりで、ねばねばが特徴のオラ・プロ・ノビスでもあり、今、もっとも斬新で誰もが絶賛しているのが「つくだ煮」。海苔のつくだ煮と見まがう触感と香りを感じさせます。
ブラジルで海苔は輸入品になるため、とても高価です。つくだ煮となるとさらにぜいたく品です。その代用としてオラ・プロ・ノビスを利用できるという発見がブラジル在住の日本人の工夫で発見されました。
また、中沢さんが軽く塩をまぶしてオラ・プロ・ノビスを天日干しししたところ、潮の香りのする乾燥ワカメのような保存食も作ることができました。
乾燥させた潮の香りのするオラ・プロ・ノビス
2月3日にサンパウロ市内で実施された試食会では、お好み焼きと広島焼にキャベツと合わせてオラ・プロ・ノビスの千切りも加えられ、より健康になっれるお好み焼きに参加者から絶賛の声が上がりました。
人生100年の時代こそ食べたいブラジルの身近な食材オラ・プロ・ノビス。中沢さんのオラ・プロ・ノビスへの情熱は高まるばかりです。
サンパウロ市内でのオラ・プロ・ノビスの試食会
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