ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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サンパウロ労働組合の女性事務局が主催したさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識の講義

サンパウロ労働組合の女性事務局が主催したさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識の講義

 3月8日の国際婦人デーに合わせて、サンパウロ労働組合(Sindicatodos Comerciarios)の女性事務局は3月31日、サンパウロ市に居住し、起業家として活動するさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識を講義するイベントを開催しました。

 今回、この企画を中心になって進めた一人が、社会起業家として活動するギニア・ビサウ出身のベナジーラ・ジオコさんです。ベナジーラさんは以前、ミスブラジルの各州で開催される予選でパライーバ州のチャンピオンに輝き、ブラジル全土の決勝戦にも出場した女性で、現在までモデルとしても活躍しています。


サンパウロ労働組合の女性事務局が主催したさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識の講義

サンパウロ労働組合の女性事務局が主催したさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識の講義

 現在、日本人の移民は一世の移民が先細る一方で、多くは2世以降の3世や4世が中心になっており、生まれながらに家族がブラジルに根を下ろした環境にあります。
 
 他方、近年、ブラジルに海外から到着する移民は、アフリカ各国や南米はボリビアやペルー、ベネズエラなどが中心です。大半が個人や零細企業で飲食業や美容業、雑貨を作るような小さな商売を営んで生計を立てています。

 南米一の経済都市でありながら経済格差の激しいサンパウロ市は、新しい移民にとって、男女を問わず日々の生計を維持するのも大変な社会です。特に、女性はシングルマザーや寡婦になるケースも少なくなく、自分で人生を切り開いていくしかありません。


サンパウロ労働組合の女性事務局が主催したさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識の講義

サンパウロ労働組合の女性事務局が主催したさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識の講義

 ブラジル人女性でも経済的な自立は大変なことですが、実の家族と離れ、言語や生活習慣の異なるブラジルで暮らす移民の女性は、ブラジルという異国でさらに多くの困難を伴います。また、一見、差別がないといわれるブラジルですが、現実には、アフリカや南米、アジア人に対しても、見えない部分で根深い偏見や外国人嫌悪があり、そのようなネガティブな空気も自らで克服しなければなりません。

 そのような現実を知るベナジーラさんを始め、コンゴ民主共和国やアンゴラ、マリ共和国、セネガル、ボリビア、ペルーなどから移民し、起業家としても活躍する男女が出席し、よりプロフェッショナルに働き、経済的成長を目指すための講義に耳を傾けました。

 イベントには、サンパウロ労働組合の会長やサンパウロ市の女性市会議員も出席し、移民で発展してきたサンパウロ市、そしてブラジルの国における、新しい移民の存在の統合と活用の場を広げる重要性を説きました。


サンパウロ労働組合の女性事務局が主催したさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識の講義

サンパウロ労働組合の女性事務局が主催したさまざまな国籍の移民女性に向けた起業や金融知識の講義



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