ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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1901年に開館したブタンタン研究所の施設

1901年に開館したブタンタン研究所の施設

 サンパウロ市西部にあるブタンタン研究所は、世界有数の免疫生物学を中心とする研究所です。中でも毒蛇に関しては世界トップの研究機関で、感染症や毒蛇に噛まれるなどの事故で使用されるヘビ、クモ、サソリの毒の高度免疫血清の研究もほぼすべて担っています。

 同研究所は1901年の設立以来、サンパウロ州保健局と連携して、さまざまな生物研究やバイオ医薬品の製造のほか、保健省の国家予防接種プログラムで使用されるワクチンの生産の大部分を担ってきました。

 コロナ禍では中国のシノバック・バイオテック・グループの製薬会社シノバック・ライフ・サイエンスと提携して同研究所は新型コロナウイルスに対する緊急使用として国家健康監視局(アンビザ)によって承認されたコロナバック・ワクチンを製造して多くのブラジル国民が接種を受けました。


蛇ミュージアムの管館内

蛇ミュージアムの管館内

 ブタンタン研究所は研究機関だけでなく、一般市民が自由に出入りできる5つのミュージアムや図書館、自然豊かな遊歩道のある公園なども備えた複合施設です。
 
 中でも、ブラジル産の約40種、60匹ほどの蛇が展示されたミュージアムや図書館前の屋外に放たれた蛇園もブラジルならではの施設です。特に同研究所が設置されたのと同時期から続く蛇園は、タイでもこの施設をモデルに作られとのことです。


蛇ミュージアムにいる蛇の一匹

蛇ミュージアムにいる蛇の一匹

 蛇ミュージアムはサンパウロの観光名所の一つでもあり、休日には国内外からの観光客や親子連れも訪れています。

 コロナ禍に入ってからはコロナワクチンの製造により同研究所の価値がさらに高まり、敷地内やミュージアムもリフォームされたとのことで、より見学しやすくなりました。 

 ワクチンを製造する施設は見学できませんが、コロナ禍が収まってからはワクチン博物館もオープンし、124年の歴史を持つブタンタン研究所は今も進展し続けています。
 


屋外の蛇の庭(茶色い囲い)

屋外の蛇の庭(茶色い囲い)


ブタンタン研究所の地図

ブタンタン研究所の地図


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