信号機のないハイクオリティライフなヨーロッパ風の町
2023.08.19 up
グラマード市の中心にある交差点。ロータリーで交通秩序を守っている
ブラジル有数の観光名所の一つ、リオ・グランデ・ド・スル州グラマード市は、どこを切ってもドイツのような美しい家屋の造りに統一され、その気候とドイツ移民やイタリア移民によって築き上げられた「ヨーロッパの空気」により、ブラジルが誇る町となっています。
市内のホテルも店や買い物スポットも、そして町全体の景観が、ヨーロッパの落ち着いたハイクオリティーの観光地のようで、観光プログラムを予約した際には「時間を厳守してください」と事前に注意されるような町です。「時間を厳守」という表現は、ブラジル全般ではなじみの薄い感覚で、時間の感覚からして、もはやイメージされがちなブラジルからかけ離れています。
本当に先進国の都市部と変わらないハイクオリティーの宿泊施設や、グルメにも文句はないクオリティーの高いレストランがそろうグラマード市で、目にする驚くべき町の様子の一つが、町に信号機がないことです。
信号機のないグラマード市の町中
発展途上の田舎町に信号がないことは想像に難くありませんが、長期休暇の期間もさることながら、平日でも年間を通して観光客の絶えないグラマード市は、一年中非常に人が往来しているにもかかわらず、信号機がなくても、交通は大変秩序正しく整理されています。
交差点では、ドライバーはロータリーを使って落ち着いて通過し、歩行者を見かければ、先に歩行者を優先させるのが暗黙のルールとなっています。暴走する車は恥といった様相です。歩行者は横断歩道で信号機がなくても、安全に道路を横断でき、歩行者優先が非常に尊重されています。
歩行者への敬意が、ブラジル全土を見渡せば秩序の混沌とした場所が多いのに対して、グラマード市により一層ヨーロッパと同等の「ヨーロッパの空気」を与え、観光客に心地よさを提供しています。
見方によっては、ブラジルのおおらかさや温かさが加えられたハイクオリティのヨーロッパ風な町となっており、ヨーロッパ以上に居心地が良いともいえる町です。
信号機のないグラマード市の中心地の大通り
観光の町に徹するため、観光客の評判に対する地元コミュニティの懸念が、交通法規の尊重の動機となっているとのことで、2000年代には地元のドライバーたちにパンフレットを配って啓発活動を強化しといいます。その効果が浸透し、ドライバーは一年中、信号機がなくても交通規則を尊重しているそうです。
住民や観光客がより快適に過ごせることに徹することで、リピーターの絶えない観光地となっているグラマード市。同市内のホテル・コリーヌ・ドゥ・フランスは、ゲストをフランス帝国時代に連れて行くことをコンセプトにして、2023年に世界で 3 番目に優れたホテルに選ばれたと、サイト上の旅行者のレビューにはあります。
ドイツやイタリアを見たければヨーロッパのドイツやイタリアに行くのが王道ですが、ブラジル南部には、間違いなくブラジルで旅できる癒し効果の高い温かいヨーロッパの町が存在しています。
信号機のないグラマード市の中心地の大通り
グラマード市の中心にある交差点。ロータリーで交通秩序を守っている
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タグ:ブラジル,リオグランデドスル州, グラマード,信号機
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