チベット寺院が観光名所でデートスポット
2023.08.28 up
ラマ教寺院チャグドゥド・ゴンパ・カドロ・リンの寺院の一つ
ブラジル最南端の州、リオ・グランデ・ド・スル州の州都ポルトアレグレ市から約90キロの内陸にトレスコロアスという人口約2万8千人の町があります。隣町にはグラマードというドイツ移民やイタリア移民などが築いたドイツのような街並みとハイクオリティな町としてブラジル屈指の観光名所グラマードがあります。
このグラマードの番外編の観光地として案内されているのがトレスコロアスにあるチベット由来のラマ教寺院チャグドゥド・ゴンパ・カドロ・リンです。町の中心地から約4キロの山道を登った先の広々とした敷地に同寺院は立地し、山頂から町を一望でき、そこは熱帯のイメージのブラジルとは一線を画する空気が流れています。
ラマ教寺院チャグドゥド・ゴンパ・カドロ・リンの入口
同寺院は特にリオグランデドスル州では知らない人はいない、ブラジル全土でも知られた場所で、旅行好きの多いサンパウロ州からの観光客も少なくないということです。サンパウロ市近郊にも小規模のチベット寺院がありますが、ブラジルのチベット寺院の本場といえばこの寺院になります。
静かなデートスポットでもあり、家族連れや個人だけでなく、カップルで訪れているのもよく目にされます。
ラマ教寺院チャグドゥド・ゴンパ・カドロ・リンの施設の一つ
残念ながら、寺院の中は撮影が禁止されていますが、口コミで知る人ぞ知るからこそ観光客が後を絶たない理由は寺院の内部を見れば納得できるものがあります。
外から見ると、シンプルな箱物のような施設に見えますが、中に置かれた数多くの金色に輝く仏像の数々と華やかな壁画は、ブラジルにいることが信じられなくなるような世界です。これだけの紛れもなく東洋を感じさせる仏像の数々をブラジル南部の奥地の山頂に海外から持ってきた人々の労力にも驚かされます。
ラマ教寺院チャグドゥド・ゴンパ・カドロ・リンの敷地内
ブラジルには現在、合計3、4人ほどのチベット人しか暮らしていませんが、ブラジル人の中にも仏教徒がおり、そのような人々の間でも仏教の神髄をチベット仏教の中に見出し、大変尊重する人々がいます。
この寺院のある山の麓に、チベットから移住したチベット人オギェン・シャクさんによるチベット料理店もあり、セットで観光スポットになっています。また、このチベット寺院やオギェンさんの存在によって、チベットの新年を祝う行事ロサールが町の名物イベントにも組み込まれてきました。
ドイツの生き写しのグラマード、そしてチベットの生き写しのようなトレスコロアスなど、リオグランデドスル州には同じ移民の影響を受けた国であるブラジルの他州とは少し異なる、より移民のオリジナルな国を追求したような観光地があるのがユニークといえます。
ヒンズー教のラクシュミーの像
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