ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」で注文して届いた商品

トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」で注文して届いた商品

 ブラジルでもコロナ禍以降、オンラインを利用する買い物客が大幅に増えました。日本と比べれば時々、商品が届かないことやかなり到着が遅れることもありますが、概ね特にサンパウロ市内では順調に利用できる状況と言えます。

 その中で今、これまでのブラジルのイメージを覆す、日本の「宅急便並み!」とオンラインでの注文から配送までのスピードに驚かされたのが、コーヒーの大手企業、トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」です。

 さらに驚いたのが、コーヒー大国ならではの大盤振る舞いともいえるクレーム対応です。


トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」で間違って届いて返送不要となった商品

トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」で間違って届いて返送不要となった商品

 今月はブラジルでもブラックフライデーによる安売りセールが盛んに行われています。メルカフェでも通常の店頭に並ぶ商品よりもバラエティ豊かな商品がオンラインで販売されてきました。

 210レアル(約5600円)ほどの商品を購入して注文したところ、翌日に商品が届けられ、そのスピードに驚くと同時に、「ブラジルも大きな変化を遂げている!」と思ったのですが、箱を開けると注文していない商品が届きました。届いた商品は注文した商品よりも高い350レアル分(約9340円)ほどでした。

 受け取る時に、何度も名前を確認されたにも関わらず中身が異なるところが、「やっぱりブラジルらしいな」と思いました。

 早速、サイトに記載されたフリーダイヤルに問い合わせたところ、クレーム対応では電話がつながらない組織も珍しくないブラジルの中で、すぐにつながり、同様のクレーム対応には慣れている応対で、「届いた商品は返品不要。郵便ですぐに注文した商品を送り直す」と言われました。その言葉通り、クレームした直後に郵便で発送され、その追跡番号をメールで受け取り、翌日(週末は除く)には手元に届きました。

 結果的に、注文した商品と、間違って届いた注文品よりも高額な商品の両方を受け取ることになりました。

 世界トップのコーヒー生産高を誇るブラジルの余裕を感じさせるクレーム対応です。


トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」のサイト

トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」のサイト

 コーヒーの生産量は、特にベトナムが生産高を伸ばしており世界第二位のシェアを占めていますが、ブラジルは今も生産高では世界トップの座に君臨しています。

 毎年、気候に左右されて生産高も変化し、特にブラジルで多く生産されているアラビカ種は干ばつと霜害に弱く、収穫量が大幅に減少する年もあります。近年では2020年は豊作でしたが、2021年にはラニーニャ現象により不作となり、例年より大幅に収穫量が減少しましたが、2023年と2024年はまた例年通りの好調な収穫となっています。

 過去には、収穫量が多過ぎた時に価格暴落を危惧して、コーヒーを燃やしたこともあるブラジルです。配送ミス程度のクレームには大盤振る舞いで顧客の評価を上げた方が断然お得という、コーヒー大国の余裕があることに違いはありません。


トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」で届いた商品

トレス・コラソンエス社のコーヒーを販売するオンラインショップ「メルカフェ」で届いた商品



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