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音更町出身の「ブラジルの和牛の父」に農業功労賞
2024.11.04 up
『第53回山本喜誉司賞』で受賞した飯崎貞雄さんと妻の久美子さん
ブラジルでの農業分野の日系功労者を顕彰する『第53回山本喜誉司賞』の授賞式が、11月1日にサンパウロ市内のブラジル日本文化福祉協会で開催されました。
今回の受賞者に選ばれた4人の内の1人が、北海道音更町出身の飯崎貞雄さん(83歳)です。飯崎さんは帯広畜産大学のOB(酪農学科、1963年卒)で、現在もブラジル帯畜大同窓会の顔としてご活躍しています。
今回の飯崎さんの受賞の理由は、ブラジルに和牛を導入したパイオニアであったということです。
『第53回山本喜誉司賞』の受賞式でスピーチする飯崎貞雄さん
飯崎さんは大学卒業後、ヤクルト商工株式会社に入社し、1968年に移民を覚悟でブラジルヤクルト商工株式会社に異動し、今日まで同社の主力事業である乳酸菌飲料やブラジルヤクルト農場の発展などに尽力してきました。
ブラジルで最初の和牛はサンパウロ州ブラガンサ・パウリスタにあるヤクルト農場で誕生しました。1994年に米国から導入された純粋種の和牛の受精卵から生まれた種でした。
飯崎さんによると、ヤクルト農場で和牛が誕生する前の黎明期には、一頭の和牛がサントス港に到着したものの、書類不備で上陸できず、再び書類と合わせて上陸してサンパウロ州に隣接するパラナ州に渡ったものの、その消息は不明となったとのことです。
一頭目の和牛の誕生後、飯崎さんは有志とともにブラジル国内に和牛を普及することを目指して、ブラジル和牛生産者協会を創設し初代会長に就任し、現在も名誉会長を務めています。
ブラジルで最初の和牛誕生から30年が過ぎ、2022年のブラジル和牛生産者協会のデータによると、ブラジル全土の70農場で合計約1万6,981頭の和牛が飼育されていました。
『第53回山本喜誉司賞』の案内
今回の授賞式には、定期的に集うブラジル帯畜大同窓生のメンバーは遠方に暮らしているため顔を出せませんでしたが、ブラジルヤクルト社の関係者や飯崎さんの身近な友人もお祝いに駆けつけました。
飯崎さんは、
「これまで多くの皆さんに支えられてやって来られました。心から感謝いたします」
と、今回の受賞に頬をほころばせました。
『第53回山本喜誉司賞』の案内で紹介されたブラジルでの和牛の歩み
飯崎さんと今回の受賞でお祝いに駆けつけた人々
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