日曜は乗車料無料になった市バスの全路線
2024.01.31 up
下部に日曜日の無料バスサービスの案内が記されたサンパウロ市営バスの車内
年に1回、サンパウロ市内では公共交通機関であるバスやメトロのストが実施され、運賃が確実に値上がりしていきます。昨年も12月から二年ぶりにメトロ代が値上がりし、一回の乗車が4.40レアル(133円)から5.00レアル(150円)になりました。サンパウロでは全区間が一律料金です。
例年、メトロとバス代は同じ料金のまま同時に同じ価格が値上がりしてきましたが、昨年はバスは4.40レアルのままで、メトロ代だけが5.00レアルに値上がりしました。市民にとっては交通費の値上がりは確実に生活への負担になります。
これを受けて、昨年12月11日、リカルド・ヌーネス・サンパウロ市長は、「ドミンゴン・タリファ・ゼロ-サンパウロを探訪、発見、生活する(Domingão Tarifa Zero-explore, descubra, viva São Paulo”)」というスローガンのもと、翌週の17日から日曜日には市内の全路線でバス料金の無料サービスを開始しました。日曜以外の祝祭日にも適用されます。
日曜日のサンパウロ市営バスのバス停の一つ
この措置は、公共交通機関の利用を促進し、レジャー、公園、スポーツセンター、文化イベントへのアクセスを拡大し、経済と雇用の供給を改善することを目的としています。
昨年のSPTrans(サンパウロ交通)の調査では、220万人の乗客が 1175の市営バスを利用していましたが、日曜日にはバスの空きスペースが時間帯によっては 60%あり、財源的にも日曜日に無料サービスを実施しても赤字にはならないということです。
一般的な労働者は会社から通勤用の交通費は支給されても、休日用の交通費は支給されません。子供が3人いる家庭の場合、往復のバス代だけで一日で44レアル(1325円)が必要になります。ブラジルではその価格は決して安いとは言えません。
バスの無料サービスにより、家族での往来が活発になる方が経済効果も高まり、市民生活の満足度も高まるということもあると、このサービスに対してヌネス市長も強調しました。
日曜日の無料バスサービスの案内が記されたサンパウロ市営バスの案内サイト
テレビやメトロ、バスの車両内でもこの新しいサービスについて大体的に案内されています。しかし、実際に日曜日にバスを利用してみると、思いの他、このサービスの利用者が少ないような印象を受けます。
日曜日には、国や民間施設、ショッピングモール以外に、市の運営する文化施設だけで78、公園・広場が112、スポーツ施設が45カ所あります。他にも歩行者天国で開催される露天市など、観光スポットにもなっている見どころもたくさんあります。
サンパウロ市内のバスはどこにでもアクセスでき、メトロを併用しなくてもどこにでも行けます。日曜日は運航するバスの便数は少ないですが、道路もすいており、渋滞に巻き込まれることも少なく、乗車できれば目的地までスムーズに到着できます。
今後、この新しい行政サービスがどのような結果になるか、サンパウロ市でも行方が注目されます。
日曜日のサンパウロ市営バスの日中の車内
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