ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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カタールのネパール料理レストラン「グルカ」のダルバートの一つ

カタールのネパール料理レストラン「グルカ」のダルバートの一つ

 近年、日本でも増加している在日外国人の一つがネパール国籍の人々です。昨年10月13日に日本の出入国在留管理庁に発表されたデータによると、156,333人(2022年末より+16,940人)に増加しています。半年間で約10%の増加率、日本の人口約1億2,500万人(2021年)の約0.12%です。

 そのネパール人がネパール国外で最も多く働いて生活している国がマレーシア、次に現在サッカーのアジアカップで注目を集めるカタールといわれています。

 在カタール・ネパール大使館の公式データによると、昨年9月には36万4,389人のネパール人が合法的にカタールで生活していました。カタールに暮らす住民数は約300万人で、その約12%がネパール人ということになります。言い方を変えれば、カタールでは日本の100倍のネパール人の存在感があるということになります。

 カタール人そのものは全住民の約10%といわれ、他は皆外国人の居住者で構成されているのが現在のカタールです。町を歩けば、実際に南アジアの人々やフィリピンやマレーシア人やインドネシア人など、東南アジアの人々の存在感を多く感じます。


カタールのドーハでネパール料理レストランが立ち並ぶ通り

カタールのドーハでネパール料理レストランが立ち並ぶ通り

 外国人の暮らすところその外国料理ありで、カタールの首都ドーハにも、同国に暮らすネパール人によるネパール料理店が15軒ほどあると現地在住のネパール人が教えてくれました。

 日本にも東京や大阪を中心に「インド」という名も冠したネパール人の経営するレストランが現在は少なくありません。日本ではネパール人の店でも「インド」と冠されるのは、ネパールよりもインドの方が日本の人々にイメージを湧かせやすく、カレーのイメージでも親しまれ易いからという戦略が以前にはあったとも聞きます。

 しかし、カタールではネパールはネパール、インドはインドです。店の看板にもネパール料理店はネパールの国旗のみがしっかりと掲げられています。来店者も外国人よりもネパール人が多いということです。


ネパール料理レストラン「ロイヤル」のスープ・モモ

ネパール料理レストラン「ロイヤル」のスープ・モモ

 ネパールとインドの違いについて、それぞれの国になじみのない人にとっては、その違いもあまり分かりにくいものです。料理についても然りです。

 ネパールの料理を代表するのは、ダルバートと言われるネパール式一汁三菜ともいえそうな米食を中心とした食事と、ネパール風ギョウザと言えるモモです。いずれも日本食では使用しないスパイスを使った料理ですが、インドのようなカレーほどスパイシーでもなく、野菜料理も目立ちます。ネパール料理店でネパール料理と言われる食事をすると、インドのカレーとは一線を画するイメージがあります。

 そのような本格的なネパール料理がレストランで食べられるのも、1985年からカタールに入国し始め、現在は約36万人のネパール人を擁するネパールの飛び地ともいえそうなカタールならではです。

 2015年の震災後はさらに多くのネパール人が海外に働きに出るようになったということで、日本にも留学生や技能実習生などとしても在留している人が増加しています。


カタールのネパール料理レストラン「グルカ」の店内

カタールのネパール料理レストラン「グルカ」の店内


カタールのネパール料理レストラン「グルカ」のダルバートの一つ

カタールのネパール料理レストラン「グルカ」のダルバートの一つ


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