ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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アニメなどのキャラクターをデザインしたスタンプ、マグネット

アニメなどのキャラクターをデザインしたスタンプ、マグネット

 戦前戦後にブラジルへ約25万人が移民した日本人は高齢化して減少する一方、その子孫である日系人の3世、4世が現役世代としてブラジルの広範囲の分野で活躍しています。その数は現在は210万人以上と言われています。

 半世紀近く前、もしくは30年くらい前までも、日系社会の習慣にはかつての日本と同様に、特に田舎に暮らす日系人女性は、社会で自分の個性を発揮して働ける機会は暗黙の内に制限され、家族や共同体へのボランティアで実力を発揮するのが一般的な選択肢でした。

 そのような女性のあり方はブラジル社会でも大きく変化しています。見方によってはブラジルの方が、お手伝いさんを雇う習慣や家族で助け合う、家族を一番重視するという社会的な感覚、移民社会で成り立ってきたこともあり、困った時はお互いのプライベートを尊重するのが自然で、働く女性への理解がある面もあります。

 そのような中で、日系3世や4世に特化した若い女性の起業をサポートするフェイラが、サンパウロの様々な場所で開催されています。


オリジナルデザインの風呂敷

オリジナルデザインの風呂敷

 日系人女性や日本文化に特化した小さな起業家をサポートして、定期的なフェイラを組織している女性の一人が日系3世のアーティストであるゴンドウ・カミラさんです。6月15日、16日には18日に公式の日本人移民がブラジルに到着して116周年を迎えることを記念するイベントが、サンパウロ市内の日系人が経営する美容化粧品店ソネダ・パウリスタ店舗で実施され、3階建ての屋上で日系女性の手工芸品や食品を販売するフェイラが催されました。



日本のアニメなどのキャラクターをデザインした陶器

日本のアニメなどのキャラクターをデザインした陶器

 日本文化のエッセンスの詰まった製品がほとんどで、日系女性ならではのセンスが反映された特別感のある食品雑貨が来客の目を楽しませていました。

 アニメなどのキャラクターをデザインした陶器やスタンプ、マグネット、バラエティ豊かな風呂敷、祖父母から伝えられた天然素材の手作り飴、イチゴ大福やシュークリーム、おしゃれな表紙の手帳など、どれも日本文化好きの外国人の友人などへ特別な日にプレゼントしたくなるようなものばかりです。どれも高品質で、制作者本人の話も聞けるという魅力もあります。


イチゴ大福やシュークリーム

イチゴ大福やシュークリーム

 オーガナイザーのカミラさん自身も、自身がデザインしたノートやパッケージのホーム用品をフェイラで販売しています。ソネダ・パウリスタ店には彼女の制作した大作の壁画も飾られています。
 
 SNSなどで個人が販売網を確保できる時代にもなり、女性たちの「好き・楽しい」を活かして起業することが、これからの社会の豊かさや活性化ににつながっていくように感じられるブラジルの今の一面です。


ソネダ・パウリスタ店に描かれたカミラさん(左)の壁画と同店のマーケティングディレクターのハファエラ・カマチさん

ソネダ・パウリスタ店に描かれたカミラさん(左)の壁画と同店のマーケティングディレクターのハファエラ・カマチさん


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