南米のおヘソが誇るグルメスポットはご当地和牛店
2024.08.03 up
パラグアイ唯一の和牛農場を経営される林さんご夫妻
南米のおヘソ、パラグアイのアスンシオンに来て「まさかの出合い」となるのが和牛です。
「日本種のパラグアイ産和牛」をキャッチフレーズに、2004年から自らの手で和牛の飼育から小売りまで、一貫して行っているのが林英二郎さん(70、名古屋出身)です。林さんは北海道の酪農学園短大を卒業後、1976年からパラグアイに移住し、牧場開発に携わってきました。現在は奥様のアリシアさんとアスンシオン市内で和牛専門の日本食レストラン「デリシアス・ハポネサス」を営業しており、今では同市が誇るグルメスポットになっています。
林さんの育てた和牛
パラグアイにとって牛肉生産は主要産業の一つです。とはいえ、日本の但馬牛の血統を受け継いだ和牛がパラグアイで飼育されているのは非常にレアで奇跡的なことです。
世界の日本食ブームの流れの中で、今日、和牛は南米でもブラジル、チリ、ウルグアイ、アルゼンチンなど農牧業が盛んな国々でも飼育されています。日本種に由来する和牛であっても、他種と混血した場合をはじめ、飼料によって味や香りが大きく変わってきます。
「遺伝子が同じ牛であっても、最終的に誰もが納得できる高品質の和牛が育つ決め手は飼料」という林さんは、厳選した飼料の穀物選びから自家栽培の牧草まで、最高品質の飼料で和牛を育てています。その肉の味も料理の味もパラグアイにいることを忘れさせられるほど、贅沢な日本の味わいです。
デリシアス・ハポネサスのしゃぶしゃぶ
レストランで人気の和牛メニューは、国籍を問わずロースを使用したすき焼きで、他にも日本人や日本通にはしゃぶしゃぶも人気です。
その他に、アリシアさんが考案した特別レシピの和牛串焼きが広く人気で、同店だけでなく国内の他の日本食店からも注文を受けています。最初こそ和牛はパラグアイ人にはなじみがなく、「犬か猫の肉か」と言われるほど一般的な牛肉との違いが分かってもらえなかったとのことですが、明らかに一味違うおいしい和牛の串焼きによって人々に広く認知されるようになっています。
デリシアス・ハポネサスの店頭で焼かれている串焼き
パラグアイは、同地に移住した日本人移民が現在の国の経済を支える大豆栽培法の礎を築くなど、同国に果たした役割がとても大きな国です。
パラグアイグルメと言われてもピンときにくいですが、今では日本人移住者の功労によって、アスンシオンのグルメスポットの一つになっているのが、和牛を食べられる「デリシアス・ハポネサス」です。林さんは2021年には農務省の日本食普及の親善大使にも認定されています。
デリシアス・ハポネサスの店内
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タグ:ブラジル,パラグアイ,アスンシオン,和牛,デリシアス・ハポネーサ
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