ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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黒いトウモロコシから作られるボリビアのホットドリンク「アピ」と揚げパン。揚げパンをちぎりながらアピに付けて食べてもよい。

黒いトウモロコシから作られるボリビアのホットドリンク「アピ」と揚げパン。揚げパンをちぎりながらアピに付けて食べてもよい。

 サンパウロには世界中からの移民やその子孫が暮らしています。


ブラジル化したスペインのチュロス「シューホ」

ブラジル化したスペインのチュロス「シューホ」

 第二次世界大戦前後までは、スペインからも多くの移民がブラジルにやってきたそうで、サンパウロ市ではモッカと呼ばれる地区やその周辺に、スペイン移民の足跡を垣間見るかのように「チュロス」を販売するスペイン人のお店がありました。
 スペインでもおなじみの長いぐるぐる巻きのチュロスを求めて訪ねようと思ったところ、2007年ごろに店主が高齢になったため、閉店してしまったということでした。

 スペイン移民がもたらしたであろうチュロスは、ブラジルでは「シューホ」と発音されて、スペインのチュロスとは微妙に姿を変えてブラジルで存在しています。ブラジルのシューホは長さが15センチほどで、中にドーセ・デ・レイチといわれる甘いクリームがつめられています。
【2007年まで営業していたモッカ地区のチュロス店に関するサイト】
http://sampaist.com/2007/10/22/churros_da_mooca.php


サンパウロのボリビアフェイラで見かけられるボリビアのホットドリンク「アピ」と揚げパンの屋台

サンパウロのボリビアフェイラで見かけられるボリビアのホットドリンク「アピ」と揚げパンの屋台

 今、サンパウロではブラジル化したスペインのチュロスである「シューホ」よりもチュロスに近いのではないか…と感じる食べ物、正確には食べ方が近いといえそうな食べ物が、ボリビアの「アピ」と呼ばれる飲料と揚げパンです。

 近年、多くのボリビア人が移民しているサンパウロでは、ボリビア人のフェイラ(露天市)があり、ボリビア人のための様々な料理が販売されています。「アピ」はサンパウロのカントゥータ広場で日曜日に開催されるボリビアのフェイラで見かけられます。

 「アピ」は黒色(正確には紫色)のトウモロコシを煮立ててジュース状にし、砂糖やシナモンを加えたホットドリンクです。とろみのある飲料で、寒い土地では体を温めてくれそうです。黒いトウモロコシは冷たいジュースでも飲むことができるようで、粉ジュースでも販売されています。

 「アピ」は揚げパンとセットで、「揚げパンをちぎってアピに付けながら食べる」と店員のボリビア女性が教えてくれました。

 揚げパンを甘い飲料に付けるといって思い出すのが、スペインの揚げパンともいえるチュロスと甘いチョコラッテです。

 スペイン移民の一世が減少し、スペイン本場の庶民の味が失われていくサンパウロにあって、スペイン文化の影響を受けたボリビア移民によってスペインを想起させられるという、「世界の文化が交錯する都市サンパウロ」を実感します。


ボリビアのホットドリンク「アピ」と揚げパンの露店で、揚げられる揚げパン

ボリビアのホットドリンク「アピ」と揚げパンの露店で、揚げられる揚げパン


黒いトウモロコシの粉ジュース 

黒いトウモロコシの粉ジュース 


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