5月22日、国王の孫、Estelle(エステル)王女の洗礼が行われたことにちなみ、スウェーデン人に多い名前について考察してみました。
Estelleもスウェーデン人では珍しいフランス系の名前、命名の当時は同名の国民から同じ名前が付いた事に驚く様子がありましたが、スウェーデン人の名前も日本同様、時代により変化が見られます。

ベビーカーなどに取り付ける名前板、最近の子どもに多い名前が並んでいますが、特注も可能なようです
国勢調査によると、まず2011年生まれに多い名前を並べると
女:1位Alice(アリス)、2位Maja(マイヤ)
3位以下続いてJulia(ユリア)、Elsa(エルサ)、Linnéa(リンネア)、Ella(エリサ)、Ebba(エッバ)、Molly(モリー)、Wilma(ウィルマ)、Emma(エンマ)
男:1位William(ウィリアム)、2位Lucas(ルーカス)
3位以下続いてOscar(オスカル)、Hugo(フーゴ)、Elias(エリアス)、Oliver(オリヴェル)、Liam(リアム)、Alexander(アレキサンデル)、Viktor(ヴィクトル)、Emil(エーミル)
(スウェーデン語の読み方としては「J」はヤ行の発音、語尾の「er」は英語のように長音ではなくエル、「or」もオルと読みます。以下、読み方のフリガナは省略します。)
一方、国民全体で多い名前を並べると
女:1位Maria、2位Anna
3位以下続いてMargareta、Elisabeth、Eva、Birgitta、Kristina、Karin、Elisabet、Marie
男:1位Erik、2位Lars
3位以下続いてKarl、Anders、Johan、Per、Nils、Jan、Lennart、Mikael
となっています。
国民全体で女性1位のMariaは2011年に産まれた子どもの統計では100位、2位のAnnaも84位
「マリア」や「アンナ」と聞くと、ごくありふれたスウェーデン人の名前として思い浮かびますが、そういわれてみると最近の子どもには少ないのがわかります。国民全体3位のMargaretaや4位のElisabethも、今では少し古風なイメージ、比較的年配の女性の名前で多く耳にします。
またMariaとAnnaを合体させたMarianna(マリアンナ)やAnna-maria(アンナマリア)という名前もあります。
男性の名前についても、2011年は1位Williamですが、実はアルファベットの「W」は、スウェーデン語では外来語にしか用いられない希薄なものです。女9位にもWilmaがランキングに入っていますが、人名に「W」を用いるのは昔は一般的でなかったようで、名前も国際化してきていることが伺えます。
男性全体で一位のErikは、2011年でも13位と長年人気を保っていますが、2位Larsは101位以下です。
ちなみに2001年の統計と比較すると次のようになります。(カッコ内は2011年の順位)
2001年女:1位Julia(3)、2位Emma(10)、3位以下続いてHanna(40)、Elin(17)、Wilma(9)、Ida(24)、Amanda(28)、Linnéa(5)、Matilda(39)、Maja(2)
2001年男:1位Filip(15)、2位Oscar(3)、3位以下続いてErik(13)、Anton(12)、William(1)、Viktor(9)、Emil(10)、Alexander(8)、Lucas(2)、Simon(39)
(以上、参考HP:http://svenskanamn.alltforforaldrar.se)
「名前を聞くと、その人の産まれた年が何となく予想つく」というのは、スウェーデンでもありそうなことです。
日本でも、最近は「子」のつく女の子の名前が非常に少ないように、時代によって変わっていますが、ランキングに入る名前も毎年変動が大きく、その中には数年前にはとても考えられなかったような名前があがることも珍しくありませんね。
最近は変わった名前も増えていることが日本で話題になっていますが、スウェーデンでは移民も多いこともあり、変わった名前であっても、大抵は外国人の名前(または外国人風の名前をスウェーデン人につけた)と思われるだけで、不思議がられることは少ないようです。
レポーター「山本 グィスラソン 由佳」の最近の記事
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