ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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5月5日にオープンしたイタペチ地区の漫画図書室の入口

5月5日にオープンしたイタペチ地区の漫画図書室の入口

 5月5日、日本の子供の日に、サンパウロ市郊外の一つの日本人(日系人)集住地区であるモジダスクルーゼス市のイタペチ地区で、「漫画図書室」が開設されました。

 主に第二次世界大戦後に移民した日本人とその子孫が農業を営むイタペチ地区では、これまで約半世紀、日本語学校や日本文化教室が開かれてきました。

 昨今、世代は移り、日系3世、4世の子どもたちが日本語を勉強するようになっていますが、普段はブラジルの学校でポルトガル語で勉強していることもあり、日本で育つ日本の子供の様に日本語を使うのは難しくなっています。

 それでも、日本語や日本文化を少しでも解する日本人の子孫たちや日本に関心のあるブラジル人を増やせればと願って、複数の協力者の支援で子供の日に合わせて漫画図書室がオープンすることになりました。


オープンしたイタペチ地区の漫画図書室で本を読む子どもなど

オープンしたイタペチ地区の漫画図書室で本を読む子どもなど

 図書室の壁一面に取り付けられた本棚は、大部分が日本語の漫画です。少し昔懐かしい単行本が目立つものの、寄付によって約1万冊の本がストックされているため、何か興味ある一冊は見つけられそうな雰囲気です。

 関係者によると、「今の子どもたちは情報キャッチも早いので、タイムリーな日本の漫画本も集められればいいなと思っています。今後はコンピューター設備や高齢者も一緒に読書を楽しめる環境を整えていければと思っています。」
と、図書室をさらに発展させたいという意向を話されていました。

 新しい図書室では、本や絵を描くのが好きな子どもたちが、早速席に座ってそれぞれ思い思いの活動をしていました。

 漫画図書室の開館式の後には子供の日に合わせてイタペチ日本人会の食事会があり、手作りのお寿司などの他に、竹の葉で作ったちまきや柏餅が並んでいました。


イタペチ地区の漫画図書室の開館式の後、竹の葉で作ったちまきや柏餅も並んだ食事会

イタペチ地区の漫画図書室の開館式の後、竹の葉で作ったちまきや柏餅も並んだ食事会

 今日、約150万人の日系ブラジル人が存在するものの、世代は移り日本語の読み書きや会話ができる子供は減少し続けています。そのような時代にあえて挑戦する漫画図書室は、国や民族を越えて受け入れられている漫画を通じて、日本への関心を高められるかもしれないという一つの希望です。


オープンしたイタペチ地区の漫画図書室

オープンしたイタペチ地区の漫画図書室


オープンしたイタペチ地区の漫画図書室とその横で立てられた鯉のぼり

オープンしたイタペチ地区の漫画図書室とその横で立てられた鯉のぼり


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