スペイン幼稚園の授業参観とは…?
2015.05.26 up
授業参観日の5歳クラスの午前中の時間割
海外では授業参観といった学校行事はないと聞いていたのですが、スペインのバレンシアで息子が通う幼稚園では、毎年5月に「Puertas abiertas(プエルタス アビエルタス、英語でいうと“Open Door”)」、いわゆる授業参観日があります。ただ日本との違いも多く、違いはお国柄なのか時代なのか……と自問をすることも多々。
プエルタス アビエルタスは「オープンドア」というだけあって、生徒の両親や祖父母など家族に学校の扉が開かれます。裏を返せば、スペインの多くの学校では、普段は保護者であっても、送り迎えの時間以外は施設内に許可なく入ることができず、小さい子どもを預ける幼稚園でさえ、通常はクラス(わが子)の教室まで足を踏み入れることはあまりないのです。
今どきの幼稚園は「デジタルボード」でお勉強。黒板の姿はなく昭和世代には淋しさも(笑)
息子の通う私立校の幼稚園部(2歳から5歳)で毎年5月に実施されるプエルタス アビエルタスの集合時間は9時15分。まずディレクターから挨拶があり9時半に参観がスタートし、終了は12時45分というからかなりの長丁場!
内容を紹介すると、例えば5歳クラスでは、オーラルイングリッシュ、イングリッシュ、体育の授業が25分ごとにあり、軽食&子どもたちは運動場で自由時間(この間保護者はカフェテリアで休憩)を挟んで、スペイン語(読み書き・算数)、音楽(バレンシア語)と続きます。
スペインでは私立校だと一クラス20人以下。学校(私立)のなかには幼稚園部だと先生一人当たり生徒が6人というところも
プエルタス アビエルタスの日は、普段している勉強を保護者に見せるために特別の時間帯が組まれていることもあって、各クラス25分という短時間でたくさんの科目をこなすため子どもたちであれ疲れるのでは…などと心配もしますが、それは老婆心というもの!実際は疲れを感じているのは保護者の方で(先生も?…笑)大人にはかなりの長丁場ながら、体力溢れる子どもたちにはたいした負担ではなかったりしました。
5月とはいえ日中の気温が高くなることが多いバレンシアでは、春から、運動場ではなく体育館での運動クラスが主となります
スペインで子どもを育てていて一番感じる違いは、学業への取組み時期が早期なこと。いわゆるお勉強は3歳から始まります。3歳といえば日本の幼稚園や保育園ではまだ遊ぶことが中心だと思うのですが、スペインでは3歳クラスからアルファベットを教えはじめるなど、早期から「学業」を始める印象です。学校によっては塗り絵や点線つなぎといった「遊び」とはいえ、週末には宿題も出始めます。
また、スペインの学校では長いお昼休み時間に帰宅するとはいえ、朝9時から夕方5時まで学校に拘束されており、早い時期から幼稚園・学校で過ごす時間が長いように感じます。
それぞれ生徒が担当の楽器を使って演奏。小さいときから良質の音楽に触れる経験は何事にも代えがたいです
なにはともあれ、幼稚園での子どもの様子を見るのは新鮮であり発見も多いもの。他の保護者のみなさんと仲良くなれる機会でもあります。クラスの子ども20人のうち保護者全員が参加というからさすが!
途中参加や早退などと仕事時間との調整をしながら参加した父親の姿も10人以上あり、週日にある学校イベントに父親の姿がたくさん見れるのはとてもいいことだなあとほのぼのしながら見ていました。
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2 - Comments
道下より:
2015 年 05 月 26 日 10:14:14
やはりヨーロッパは、幼少期からの学びの範囲(語学)が広いし、しっかりと学業を位置づけているなと感じさせるリポートです。
ボッティング大田朋子より:
2016 年 01 月 27 日 07:22:09
机上の勉強が早くから始まるので、親としてはまだ準備ができていないのではと心配もあります…。
アルファベット言語は発音が大切なだけに、発音習得に効果的な低年齢からの教育がされているのかもしれないですね。
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