失業率と働くということ
2018.09.23 up
週に2日、年1カ月だけ生きるなんて、お断りだわ!
フランスといえば、失業率が高いことでも知られています。私たちの勤務しているワイナリーでも、季節労働者が外国から来ていますが、その中にはフランス政府から失業保険をもらうために、季節労働者として仕事をしている若者も多く見掛けます。
失業保険給付期間も最大2年です。失業者へのケアが手厚いことで、逆に就職・再就職に対し焦る気持ちがなくなってしまうのも事実です。そのような背景からか、町では画像のような落書きを目にすることもまれではありません。バカンス・仕事より私生活を大切にするフランスの良さではありますが、失業率を低くしたい政府の思いはなかなか国民には伝わりきっていないのかもしれません。
ここで、少しフランスの失業保険の仕組みをお伝えします。
フランスでは自己都合退職の場合は失業保険がもらえません。離職理由として該当するのは下記の場合です。
○会社の倒産
○合意の下での労働契約破棄
○遠遠地で働く配偶者のため、その土地を移るなどやむを得ない辞職
○期間付き労働契約(CDD)の終了
気にするべきは、この期間付き労働契約です。勤務期間は4カ月以上であれば失業給付対象になるのです。そのため、季節労働者であっても給付されることから、ワイナリーなどで働く若者は、この失業保険で生計をたて、年間4カ月のみ働き、他の時期は旅行したりする人も多いのです。
フランスの手厚い失業保険制度は、国民に安心をもたらしてくれます。同時にフルタイム勤務への熱意を欠いてしまう事実もあります。私の周りの若者の多くは、いかに失業保険を利用し楽な生活を送るかといった関係の話をよくしています。
若者たちが仕事をするということにやりがいと熱意を感じてくれる社会の仕組みを構成できることを願います。そうでない限り、なかなか現状を変えていくことは困難ではないかと実感します。
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