台湾

台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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観光局のマスコット「喔熊(オーベア)」

観光局のマスコット「喔熊(オーベア)」

 日本では7月から「go to トラベル」キャンペーンが7月から始まり、10月からは東京も含めたものになったと聞きました。

 台湾は、4月下旬から台湾内での新規感染確認者ゼロが続いていることもあり、6月から少しずつ緩和。旅行に関しては、CDC(衛生福利部疾病管制署)の中央流行疫情中心の担当者が5月に南部の屏東へ移動して記者会見を開き、安全をアピールするなどして、少しずつですが台湾内の旅行は戻りつつあります。

 一方で海外旅行は…という感じですが、台湾観光協会は10月30日~11月2日に開催予定の台北国際旅行展の開催を決めました。最低限の注意は払いながらも、台湾内での感染の不安が消えつつあり、少しずつ台湾内旅行の動きが戻ってきつつあることに加え、2月から海外旅行を控え、飢え始めている人たちに何か提供したいということで、企画を出し合い、当初の予定通りの開催の運びとなりました。


会見中の雰囲気

会見中の雰囲気

 台湾観光協会は、まず9月16日に会見を開き、台北国際旅行展が予定通り開催されることを明言。大筋で決まっている企画内容の発表に加え、10月1~4日の中秋節、9~11日の國慶日の連休に合わせた旅行商品の販売促進を兼ねたオンライン旅行展の紹介と説明を行いました。

 ここで観光協会の方の話が出て、台北国際旅行展での日本関連のブースの出店数が前年比で半分以下になったと知りました。それでも40以上の出展がある、ということで、台湾側の日本へかける期待と注目を肌で感じ取りました。


10月12日の記者会見で用意されたもの

10月12日の記者会見で用意されたもの

 10月12日に再度会見を開き、台北国際旅行展の具体的な企画が出てきました。世界各地で、このようなイベントが中止になっている中で、台湾観光協会は企画力と開拓精神で新たな領域に踏み込み、旅行が持つ可能性を追い求めていく、と力強く話し、充分に練られた企画が説明されました。

 上の写真のはそのうちの一つ「DIY企画」で、各地の食品、工芸品作りのサンプルが展示されていました。


ハロウィーンに合わせて、担当者も仮装して登場しました

ハロウィーンに合わせて、担当者も仮装して登場しました

 他にも、飛行機のビジネスクラスのサービス・機内食体験、10月31日のハロウィーンに合わせた仮装行列とかぼちゃの彫刻体験などがあり、旅行に飢えた人たちのハートをガッチリ掴もうとしているのが伺えるものでした。

 


台北ー東京の航空券の包紙とクッキー

台北ー東京の航空券の包紙とクッキー

 上の写真の航空券とクッキーは、台北市内のお菓子屋さんが用意したものですが、日本へのアツい思いが伝わってくるような気がして、見ていてうれしくなりました。

 台湾観光協会のお世話になっている担当の方とも話をしましたが、日本へ自由に往来できなくなっていることへ寂しさを感じているようでした。毎年開催される旅行展では、日本のコーナーは多くの来場者で賑わい、盛況を見せていますが、今年の出展は昨年の半分以下になり、更に寂しさを感じていました。

 台湾側の視点で考えると、日本は移動時間も短く、魅力的な観光地、文化的要素がたくさんある所として、すでに定着している感があります。感染症の流行で自由な移動ができない状態が長く続いていることにより、日本旅行に飢えている人が多くいることも聞きました。

 9月の会見では、観光協会の人が日本の新型コロナウイルスの感染状況について台湾人の記者たちに聞いていましたが、私がニュースで出ている内容(東京都の前日の新規感染確認者数)を話したら驚きの表情を見せ、言葉が少なくなっていました。

 この台湾からの大きな期待に、応えられる日はいつでしょうか。


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