メイクブラシ、逆に「人工毛がウリ」とPRされる理由
2020.12.15 up
メイクの際に使うブラシ、馬やイタチなどの天然毛を利用したブラシ類は、人工毛のものと比較すると、日本では高級品として扱われることが多くあります。天然毛ならではのコシや肌ざわりなどと、各化粧品業界がPRすることも多いものです。
しかしスウェーデンでは、動物の天然毛を利用したメイクブラシ類は皆無と言って過言ではない様子。実際に店頭で扱われているメイクブラシのほぼ全てが、値段を問わず人工毛で出来たものです。
その理由はやはり、動物愛護、環境保護の観点から、人工毛ブラシがもてはやされる傾向にあるからです。
メイクブラシのPRには「動物由来製品の利用なし、ヴィーガン対応」と、日本とは真逆に、人工毛であることこそが商品のPRポイントにされる程です。
北欧三国(ノルウェー、スウェーデン、フィンランド)に店舗を広げる大手化粧品販売店「Kicks」で購入したメイクブラシセット。肌ざわりの良い柔らかな「人工毛」がウリにされています。
動物由来の天然毛メイクブラシよりも、より環境にやさしい人工毛のほうが好まれるのは、グレタ効果にも見られるようなスウェーデン人の国民性と思われます。
ベジタリアンになる国民も増えていますが、ベジタリズムのなかでも最も規律の厳しいヴィーガンの場合、動物由来製品の飲食はもちろん、毛皮やウール製品も着用もタブー、また研究開発過程で動物実験されたものなども利用しないそうですが、そうなるとメイクブラシも「ヴィーガン対応」のものが現れるのも理解できます。
スウェーデンの化粧品メーカーIDUNのメイクブラシも人工毛。しかしこれも人工毛の質にはこだわりがあります。
しかしひとくちに「人工毛」が人気といっても、単なるナイロン製の安物ブラシでは、スウェーデン国民の人気商品にも当然ならないでしょう。
高級とされるメーカーのブラシほど、化粧のりや肌ざわりが良く耐久性に優れた人工毛が研究開発され、「人工毛の質」にはこだわりがあるようです。
日本ではいまだ、メイクブラシは天然毛が良いと思われる方も多いと思いますが、「質にこだわりを持った人工毛ブラシ」にも注目してみるのも良いかもしれませんね。
レポーター「山本 グィスラソン 由佳」の最近の記事
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