スウェーデン

スウェーデン:ウメオ

山本 グィスラソン 由佳(やまもと ぐぃすらそん ゆか)

職業:音楽関係
居住都市:ウメオ(スウェーデン)

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日本のマスコミでも、スウェーデンの新型コロナは未だに増加し続けていることは話題になっています。都市封鎖もせずに、死亡者数も他の北欧諸国より圧倒的に多く、側からみると、「何もまともな対策をとっていないのではないか?」と捉えられることも多いようですが、居住者からみての実際のところを紹介していこうと思います。

「スウェーデンはコロナ対策をとっていない」というわけではありません。
レストランや百貨店などでも、症状のある人は入店しないように、他人との距離を置くようにと、各店舗が対策をとっている様子。50人以上の集会は禁止されているため、コンサートは未だに中止が相次いでいる状況です。国内旅行の制限は先月より緩和されつつありますが、SASでは乗客全員のマスク着用を義務付けるられているそうです。普段マスクをする習慣のないスウェーデン人にとっては、着用に抵抗のある人も少なくないようですが、街を歩いていてもマスク着用している人を時々見かけます。

そして「最近また感染者が増え続けている」と報道されているのは、6月中旬から、国内でのコロナ検査の普及が拡大したためと思われます。抗体検査、PCR検査ともに、希望する国民は手軽に受けられるようになっています。
料金は、国立の病院やヘルスセンター場合は自治体により無料のところもあれば、7000円ほど値段がかかるところもあり、PCR検査のみ無料のところもあり、各自治体が定めています。私立の医療機関の料金はやや高めです。
観光など不要不急の海外旅行は未だ難しい状況ですが、渡航先の国が入国時にPCR検査の陰性証明を要求しているなどという理由で、検査を受ける国民もいる様子です。

検査の普及拡大は、国として、現在の感染者の数と、抗体を持っている人の割合を把握しておきたいという目的でもあるそうです。


抗体検査の案内、Alerisは国内にチェーンを持つ私立の医療機関ですが、国立の病院やヘルスセンターの一角、薬局などでも検査が行われています。

抗体検査の案内、Alerisは国内にチェーンを持つ私立の医療機関ですが、国立の病院やヘルスセンターの一角、薬局などでも検査が行われています。

検査拡大の影響もあり感染者の報告は増えているものの、新規の死亡者数は減少傾向にあります。
スウェーデンの死亡者数が多いことも、各国で報道されていますが、老人ホームでのクラスターが多く発生してしまい、結果として高齢者の感染者が非常に増えたことが大きな原因と考えられています。老人ホームに勤務する人々は、時給制のアルバイトなども多く、体調が悪くて休業しても国の補償が得られにくい環境にも問題があったと言われています。
残念ながら、高齢者に対するコロナ対策は、スウェーデンは失敗だったと思います。その点は公衆衛生庁も反省している様子です。

検査拡大により、国民の感染防止への意識も高まるのであろうか、コロナの流行が抑えられるのか今後注目していきたいものです。





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