コロナで普及広がる、デジタル医療
2020.07.29 up
コロナが流行していると、院内感染が心配で何となく病院外来に行きにくい、などと思われる方も、いらっしゃると思います。
その点はスウェーデンでも同様ですが、日本と違いスウェーデンでは一般的に、急病の際に最初にかかる外来の段階では、診察科は分けられていないため、様々な症状の患者が同じ外来に急患としてやってくることになります。すると、外傷、眼のただれ、皮膚疾患など、コロナとは関係のない症状であっても、何となくかかりにくいと考える国民も現れてきます。
そこでコロナが流行してから、スウェーデンで広く普及するようになったのが、デジタル医療。
ホームページから、個人情報とともに症状などを記入し送信すると、医師とデジタルで面会し、患部をデジタルで診てもらったりなど症状を詳しく話しデジタル診察、そして薬が処方されたりという流れです。
もし血圧測定が必要な場合は、近くの薬局や自宅の血圧計で測定した結果を送信したり、血液検査などが必要であれば、近くのヘルスセンターで検体採取するなどの必要はありますが、肺機能測定などにいたっては、レンタル用の検査器具が自宅に送られ、使用後に郵送にて返却するという場合もあるそうです。
もちろんデジタル医療では心臓の音などを聴くことも出来ませんし、診察に限界もあります。手術が必要と思われる怪我や重度の疾患は論外、デジタル受診しても、結局は外来が必要になる場合もありますが、皮膚疾患で塗り薬を処方してもらう場合などには便利そうに感じます。
バス停にもデジタル医療宣伝のポスターが貼られています。
スウェーデンでは元々から、「風邪で病院にかかる」という習慣はありません。風邪は家で安静にしていれば治るという考えが、国民に強く根付いているからです。
そして院内感染を防止するため、風邪症状のある場合は直接外来には行かず、まずはヘルスセンターに電話で連絡するか、若しくはこのようなデジタル医療を受診することになります。そして外来が必要な場合は、専用の入口を利用することになります。
そして現在は、コロナを疑われる症状がある場合は、直接外来を訪れないようにと、特に徹底されています。
院内感染が心配…という患者側の心配もありますが、医療関係者の方々にとっても、無症状の感染者からの院内感染も防止するため、そして医療崩壊を招かないようにするためにも、軽症者の不急の外来は極力減らしたいところでしょう。
持病のある方々の定期検診も、検体採取時だけヘルスセンターを訪れ、診察は電話やビデオで行うことも多くなっています。
デジタルで済ませられる範囲であればデジタルで…というのが、患者と医療関係者の双方にとって良いのかもしれません。
レポーター「山本 グィスラソン 由佳」の最近の記事
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