台湾人の底力 台湾人声優のサイン会
2020.09.07 up
(左から)江志倫さん、錢欣郁さん、陳?鈞さん
夏休みの恒例行事「漫画博覧会」は、日本人の作家、声優のサイン会は不可欠で、それが集客力の源でした。ところが、今年はそれが不可能となり、名称も「台北國際ACG博覧会」と変え、台湾人の作家、声優で行われました。
過去の例で判断すると、日本人の漫画家、声優に比べ、台湾人の方は人気も格も落ちる感じで、サイン会の集客力も大きく違いました。ここ数年見ていると、台湾人も力をつけ、サイン会でも日本人の漫画家に近いくらいの人数を集めるまでになっていました。
声優は日本でも有名で人気が高い人は、台湾でも人気が高く、サイン会も熱気を帯びたものになりますが、台湾人の方は失礼ですが、名前も知らない人が多く、サイン会も企画されていなかったような記憶があります。
今回は、10月に上映予定の「鬼滅の刃」の新作映画のチケット販売に合わせ、台湾中国語版の声を担当している台湾人声優三人のサイン会が企画されました。
台湾語版の音声収録風景の再現
上の写真で、錢欣郁さん(左)は、竈門丹次郎(かまど たんじろう)担当、陳彦鈞さん(中)は、嘴平伊之助(はしびら いのすけ)・富岡義勇(とみおか ぎゆう)担当、江志倫さん(右)は我妻善逸(あがつま ぜんいつ)を担当しています。
作品のイメージを掴むために日本語の原作も必ずチェックしているそうですが、会場で収録の様子を見られるので、来場者は大興奮。特に最後に3人で見せた台湾語の収録は、今までのイメージが覆されるような感覚があり、大盛り上がりでした。
サイン会の様子
サイン会は、記念撮影終了後に行われましたが、感染症対策で握手は厳禁。マスクの着用は必須、これまでなら気合が入った魂の叫びも見られたのが、二言三言の会話程度に留まっていました。
サインも、通常なら来場者の前でペンを持ち書き込むのが、今回はあらかじめ全部書き込まれていて、それを声優の3人が手渡していました。
登場時からハイテンションだった錢欣郁さん(右)
声優の3人の中で、錢欣郁さんは初めてのサイン会だったようで、登場時からずっとハイテンション。上の写真のような感じで、楽しんでいる様子でした。
他の二人は比較的冷静で、ファンとのやりとりも落ち着いた感じでやっていたので、錢さんのハイテンションぶりは際立っていました。
終了時の様子
終了時は、3人ともこの様子。一仕事終えた感が出ていました。
この後、机を片付けてから一礼し、再度子供の参加者を前に呼んで記念撮影を行い、サイン会は終了しました。
振り返ると、「鬼滅の刃」という人気作品だから多くのファンが集まったのかもしれませんが、日本人の声優に頼らなくても、台湾人の声優でもしっかりファンを集めることができたので、台湾人の底力を見たような気持ちになりました。
来年は2月に台北國際動漫節(アニメ・漫画フェスティバル)が予定されていますが、現在の状況に改善が見られなければ、開催方法を変えることも検討する、と担当の方が話していました。
仮に開催方法が変更になり、今回の台北國際ACG博覧会同様になり、イベントも台湾人の漫画家や声優が中心になって集客が前年比で落ちても、柱になる存在が現れ、自らが持つ魅力に気づき、それを知る絶好の機会になるような気がします。
日本の皆さんには、台湾人の声優、漫画家も刮目して見ていただければ、と思います。
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