夜中まで続いた春の死闘(1)
2021.05.12 up
会場の新莊体育館
3月から4月にかけて、台湾では学生スポーツの決勝を迎えます。6月が卒業の時期なので、この時期に決勝が集中するのは仕方がないところです。
こちらでは主にバスケットボールを中心に紹介していますが、バスケットボールは延長があっても時間制のスポーツなので、帰りの時間が予想しやすいという特徴があります。
3年くらい前から追いかけているバレーボールの場合、ジュースが重なり、最終セットまでもつれるような試合が続いた場合、帰りの時間もその分遅くなるので、どうしても帰りの足を心配しながら見ていないといけない時が出てきます。
過去、高校バレーHVLでは、男女の決勝の終了が午後11時過ぎだったということがありました。私が取材に訪れるようになってからはそこまで遅くなることはなかったのですが、今年は午後11時を回りました。
遅くなった分、番狂わせもアツい闘いも見られた会場の様子を紹介します。
女子決勝の歓喜の瞬間
女子は、4強は昨年と同じチーム、決勝も昨年優勝の高雄市中山工商職業學校(以下、中山工商)と2年前まで3連覇中だった台中市立東山高級中學(以下、東山高中)の対戦でした。
決勝はセットカウント3ー1で、中山工商が勝ち、2連覇を達成しました。東山高中は3連覇中の勢いがなくなった感じで、その時にはなかった11―25というセットの落とし方をしていたのが気になり、想像以上の差があったように感じました。
男子準決勝の様子
男子は、昨年まで7連覇中の台中市立豐原商業高級中等學校(以下、豐原高商)が優勝の本命と見られました。ただ、今年は二次予選で一敗を喫し、8連覇に不安が残る感じで決勝トーナメントを迎えました。
そして、その不安が準決勝で的中しました。
対戦相手は、台北市立内湖高級中學(以下、内湖高中)。豐原高商が二次予選で唯一敗れた相手ですが、二次予選を6位で突破している相手だということで、1位突破の豐原高商の優位は動かないところでした。
序盤から豐原高商が優位に試合を進めていきますが、第4セットを25―23で内湖高中がとってから試合の流れが大きく変わります。
第4セットをとり、応援席に声援を促す内湖高中の選手たち
第5セットに入り、勢いがついた内湖高中が得点を重ね、優位に立ちます。豐原高商も流れを止めようとタイムを早い段階でとりますが、7連覇中で劣勢に慣れておらず、選手だけでなくベンチにいるコーチたちが焦っているのが手に取るように分かる気がしました。
決勝進出が決まり、喜ぶ内湖高中の選手たち
最終セットは、その差が15―8で内湖高中がとり、決勝進出が決定。
初めての決勝進出に加え、7連覇中の強豪に勝ったことから、チーム全体から喜びが爆発しました。
敗れた豐原高商の選手の一人は、悔し涙に暮れ、足早に控室へ戻って行きました。翌日の3位決定戦、豐原高商は奮闘したもののセットカウント2―3で敗れ、4位で終わりました。
豐原高商の選手たちの様子を見ていると、悔し涙に暮れている選手がいる一方で、落ち着いた表情を見せている選手が多く見られたので、周りからの連覇のプレッシャーが半端ではなかったのがうかがえました。
初めて決勝に上がった内湖高中。 決勝はどうなったでしょうか。
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