親子で掴んだ優勝
2024.06.23 up
準決勝でシュートを打つ曹祐寧
日本でも台湾でも散見されるスポーツ一家。両親がスポーツで国家代表レベルの選手で、子供もそれにならうかのようにその競技の第一線で活躍する例もしばしばありますが、台湾で昨年から今年にかけて見られたので、紹介します。
高校バスケ・HBLの私立南山高級中學(以下、南山高中)で、昨年からベンチ入りしている曹祐寧は、父が元中日ドラゴンズの曹竣ヤン氏、母が元佛光大學女子バスケットボール部ヘッドコーチの傅姿伶氏(下記URL参照)、兄はプロ野球・味全ドラゴンズの曹祐齊選手というスポーツ一家です。昨年から見てきている様子も合わせて紹介します。
【参考】
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2011320175942
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=201961804225
準決勝でチーム最多の16得点、3ポイントシュート3本成功の活躍でゲームMVP
曹祐寧は、野球を始めた兄とは違い、母と同じバスケットボールをはじめ、中学は中学バスケで強豪で知られている台北市内の学校に進学。高校も毎年のように決勝トーナメントに進出している南山高中に進学し、2年生からベンチ入り。2年時はベンチスタートで、途中出場で試合の流れや雰囲気を変える役割を担っていましたが、試合での様子を見ている限り、相手ディフェンスの隙を突くような絶妙な位置にいて、シュートを決めていく要所を抑えたプレーが印象に残っていました。
昨年のある試合では、ブザービーターで決勝シュートを決め、応援に来ていた両親と共に記念撮影に応じる姿もありました。
(左から)母・傅姿伶氏、曹祐寧、父・曹竣ヤン氏、兄・曹祐齊選手
3年生になり、スターティングファイブに入り、主にフォワードの位置でプレーしていました。2年時よりも技術が向上したように見え、信頼され、安定して出場機会を得られるようになっていました。
要所を抑えたプレーは健在で、準決勝でもチーム最多の16得点、3ポイントシュート3本成功の活躍を見せて、地元台北市の松山高級中學に勝ち、ゲームMVPにも選ばれました。
決勝は両親と共に入場
H B Lの決勝と3位決定戦は、選手は家族や親戚らと一緒に入場することができるのですが、曹祐寧は両親と一緒に入場しました。その後、ベンチ後ろの席で観戦できるのですが、両親は応援席に移動して、観戦していました。確認したところ、ベンチの後ろからだと、母親というよりコーチの目線についなってしまうので、それを避けるために移動したとのことでした。
この日の決勝は、昨年敗れた私立光復高級中學(以下、光復高中)。
南山高中は、去年まで3年連続で決勝に進出(下記URL参照)しているものの。敗れているため、どうしても勝ちたい試合です。
【参考】
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2021421235451
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=202242216751
表彰式ではトロフィー片手に笑顔
決勝は、3連覇を目指す光復高中が66―58でリードし、第4クウォーターに入りますが、ここで曹祐寧ではなく、ベンチスタートの1年生の選手が3ポイントシュート3本入れる活躍で87―85で南山高中が勝ち、過去3年分の雪辱を果たしました。
応援席には、過去3年悔し涙を流してきた先輩たちも駆けつけていて、勝利後は後輩の選手たちと喜びを分かち合いました。その中には曹祐寧もいて、チームメイトともうれし涙を浮かべながら喜びを分かち合いました。
昨年の話になりますが、この時の決勝の入場はお父さんとお兄さんが一緒でした。入場前に両者と会い、あいさつついでに話を伺いましたが、その時お父さんから言われたのは「お前、どうせ光復(対戦相手)の写真も撮るだろうけど、心配するな! 勝つのは南山だから安心して撮ってこい!」という息子への愛情あふれる一言でした。
1年経ってそれが返ってきた格好になり、この絶妙さに笑いが止まりませんでした。また、小学生時からお兄さんと共に会場であって話を聞いてきた選手だけに感慨深いものがありました。
曹祐寧は、6月上旬に卒業式を迎え、9月から大学に進学します。
お母さんが大学バスケ・UBAでヘッドコーチとして優勝した際、お兄さんと一緒に祝福していましたが、進学後、反対にお母さんから祝福してもらえる日は訪れるでしょうか。
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