ソレンチナメ諸島の素朴派芸術
2009.07.22 up
今回は自然あふれる秘境をご案内します。8,157平方キロメートルにもおよぶ中米最大の湖であるニカラグア湖に大小36の島が浮かぶ、ソレンチナメ諸島です。
この諸島には、車が通れるような道はありません。水道は湖の水か井戸の水です。各家庭では最近になってソーラーパネルで電気を使いはじめました。義務教育である小学校はありますが、中学校は月に2回5人の先生が船でやってきて、週末の一泊二日で2週間分の勉強を一度にします。人々は畑を耕したり、湖で魚を獲ったり、観光業に従事しています。とてものどかで、おだやかに歌うように会話する人々です。
どのくらい自然が豊かなのでしょうか。島民の方にお願いして、魚釣りに連れて行ってもらいました。サワガニを餌に釣り糸を垂れると、ものの1分もしない内に20cmくらいのクロサギ科の魚が釣れました。素揚げにしたり、スープにしても美味しい魚です。
陸上にも生物多様性豊かな森では、さまざまな鳥達が飛び交い、希少な植物が花を咲かせ実をつけていきます。
また、島民の多くが生活の中で、芸術に親しんでいます。生きる喜びの詩を詠い、森の豊かさを油絵に描き、鮮やかな鳥達を木工品で表現します。とくに油絵は、日本をはじめ世界中に愛好家がいます。
私が今回出会ったのは、自然の流れの中で私たち外国人を対等な人間として迎え入れてくれる島民の方達でした。これからやってくるであろう観光開発という難しい課題の中で、島民の貧しくとも豊かな生活が搾取されることなく、お互いに尊重しあえるバランスが続くことを望みます。
キリスト教の教会:たくさんの島民が参加したワークショップによって、十字架に掛けられたイエスの周りにたくさんの絵が描かれました。
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タグ:アート
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