途上国で奮闘、助産師ボランティア
2009.07.11 up
こちら中米ニカラグア。
今回は、JICA(ジャイカ:独立行政法人国際協力機構)の青年海外協力隊、保住香奈さんの活動を紹介します。
亜熱帯地域に位置する、ニカラグアの中でも極暑の地、チナンデガ県チナンデガ市で、保住さんは助産師として地域の施設に出向き、妊産婦のために活動しています。
こちらでは、男尊女卑の文化の上に、患者に対する医療者の権限が絶対です。
そのため、妊産婦の人権が尊重されることは、特に公共の施設ではほとんどありません。
県内唯一の公立病院では、痛みと孤独に泣き叫ぶ妊婦のそばで、医療者たちはおしゃべりをして赤ちゃんの頭が出てくるまで時間をつぶしている光景もみられます。
そのような異なる価値観の中、保住さんは一人妊婦に寄り添い痛みを和らげるために、優しい声をかけ腰をさすります。
また以前は、妊婦は裸同然の格好というプライベートのない環境の中でのお産だったそうですが、保住さんの提案で各ベッドにカーテンが設置されたそうです。
これは画期的な改善です。公立の病院で環境改善が実現されるのは、さまざまな人たちの強い意思とタイミングが合ってのことでしょう。
そのほかに、県内でも病院から遠いところに住む妊婦や強姦などによって妊娠した少女などを対象に、本人の意向に関わらず、妊婦を収容する施設、「母の家」があります。
こちらにも保住さんは出向いて、妊婦たちの生活改善のために活動しています。
妊婦体操を実施したり、野菜を食べる習慣のない食文化を改善するために、野菜たっぷりコロッケをつくってみたりしています。
日本の医療とまったく異なる価値観の中、正義感をもって妊産婦に寄り添う保住さん。
世界中の妊婦が安心して新しい命を迎えられる社会が実現するために、同じ時間を生きる、私たちにできることはどのようなことでしょうか。
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タグ:出産,助産師
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