うそつきは命取られる「幽霊の誓い」
2009.08.27 up
毎日が暑い常夏の国ですと、ぞ~っとする「怪談モノ」が、やっぱりみなさん大好きです。映画館では国産ホラー映画が絶えず上映されるほど。そこで主役を飾っているのがこのおぞましい「ポチョン」です。
大ヒット映画「ポチョン」のDVD.中央の白い布を巻いたのがポチョン
国の90%以上を占めるムスリム(イスラムの信者)たちが、死者を白い布に巻いて直接穴に埋葬する慣習にちなみ、この国では悪霊はこの死装束のまま化け「ポチョン」になると信じられています。日本なら三角布を頭に巻いた「幽霊」でしょうか。
ハムのように頭と足の下で布を縛られた「ポチョン」は、夜半にピョンピョン跳ねて移動するのだそう。インドネシア人は想像するだけで身震いします。
ヤシの葉のお守りを軒下につけている民家。ヤシは悪霊から身を守るとされているため身に付けたり門前に飾る家もある
地元でそんなポチョンにちなんだ「スンパ・ポチョン(幽霊の誓い)」という儀式を聞いたときは仰天。
「うそをつかない」とポチョンに誓い、生きた人間が布を巻いた死装束をするもので、誓いを破るとそのままポチョンに命を取られてしまうというのです。
地元メディア「ドゥティックコム」によると、ジョクジャカルタ州の村の村長が、村人に「セクハラした」疑惑を掛けられたとき、実際にこの儀式を決行。宗教指導者と村人数千人が見守る中、容疑を否認する村長が挑む予定だったのですが。村長は怖くなって直前に逃げ出してしまいました。
特にこのような大きな木の下には「ポチョンがいる」と信じられている
物事に白黒つけるなら「ポチョンの誓い」。ポチョンは怖くなくても、思わず身震いしてしまう私です。
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