
写真提供:菅野友之氏
こちら中米ニカラグア。私は高校生を対象とした、開発教育に取り組んでいます。今回のテーマは異文化理解です。
導入として、外国の写真を見てもらいながら想像を膨らませてもらいました。自分の興味を持った写真のそのとある国に、あなたは奨学金を得て1年間留学することになりました。その期間、ホームステイすることになります。そのご家族はとても優しい方たちなのですが、なんとニカラグアとはまったく文化が異なることがわかりました。具体的には、ご家族は異なる言語を話します。ご家族は一切の肉を食べません。ご家族は鍵を使いません。ご家族は床に寝ます。この4点の異文化に対して、あなたはどのように対処しますか?
生徒たちは、グループで対処方法を考えました。この世界には、床に寝る人たちがいるらしいという点からは、学級の半数の生徒がその文化を受け入れると答えました。受け入れられないという意見の生徒からは、ニカラグアからハンモックを持って行ったらいいのではないかという案もでました。ホームステイ先では、鍵を使わないという点からはその背景を考察しようという生徒が複数いました。

写真提供:菅野友之氏
異文化理解というのは、現実として非常に難しい課題です。生徒たちがその難しさを少しでも感じてもらえて、彼らの人生の中で異文化間での問題に直面したときに、偏見や差別という暴力ではなく、対話という暴力以外の解決方法を選んでもらえるようになったらいいなあという願いを込めて授業を行いました。
参考文献:
「教室から地球へ~開発教育・国際理解教育 虎の巻~」独立行政法人国際協力機構 中部国際センター。ISBN4-88713-704-4。
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タグ:留学,異文化
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