スペイン

スペイン:バレンシア

大田 朋子(おおたともこ)

職業…ライター、エッセイスト、講演家

居住都市…ブエノスアイレス(アルゼンチン)
→ケント(イギリス)
→バレンシア(スペイン)

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1月に入って値段の上昇が際立つ野菜と果物

1月に入って値段の上昇が際立つ野菜と果物

アルゼンチンのインフレはとどまるところを知らず、この数年は年間インフレ率は20%を優に超える勢いで物の値段が上がり続けています。

そして、今まではインフレの影響をさほど受けずにきていた果物や野菜にも値上がりの波が押し寄せ、1月のインフレ率1.7~2%のけん引役は野菜と果物と指摘されるほど。

たとえばレタスは昨年末12月には平均6ペソ(約120円)だったのが、年が明けた1月には11ペソ(約220円)と76%の上昇、ほぼ2倍です。トマトの値段は約34%の上昇、リンゴは67%、レモン56%、ニンジン40%、玉ねぎ23%、じゃがいも29%上昇…とはっきりと値段の上昇がみられます。買いものに行くたびに値段が上がっている、と言っても過言ではないほど。

野菜や果物の値段が急激に上がった理由は「季節的なもの」(たとえば収穫が4月~11月にあたるものはこの時期値段が上がる)もあるでしょうが、ガスも水道も給料も全て値段が上がっている影響が、ここにきて野菜と果物にもあらわれてきた、というところでしょうか?
それでもここまでの上昇率に、専門家も「説明がつかない」というほど。

インフレは国が成長する上で見受けられる傾向であり、一つの過程ではありますが、このまでの高インフレに国民の生活は多少なりとも圧迫され、不安を覚えている人もいます。

ところでその高インフレが続いていることが主要因でブエノスアイレスにかつてない現象がみられているといいます。

それは…?


口座数を増やしたい銀行と組み「カードで支払うと○%引き」を歌う広告も多い

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今までクーポンを使うことをよしとみなかったポルテーニョ(ブエノスアイレス出身の人)たちが進んで、しかも堂々とクーポンを駆使するようになったこと。

比較的プライドが高く「かっこう」を気にするといわれるポルテーニョさんたちですが、インフレが止まらないご時世、前もってネットなどからディスカウントチケットを入手しておき、「少しでも財布にやさしく」に徹する人が増えてきました。以前はそのようなディスカウントチケットを使うのは女性が主だったらしいですが、最近では男性がデートの時にでもディスカウントチケットを使うことも珍しくなくなってきて、しかもそれが「かっこ悪く」映らなくなってきた、ということです。

また銀行カードやクレジットカードで支払うとさらにお得なことも多いので、ディスカウント率の高さに合わせて、ディスカウントクーポンを使うかカード払いにするか対応するのだとか。

終わりの見えないインフレに対処するために、人々は以前はかっこうを気にして使うのに気が引けていた「割引き」を堂々と利用しまくるようになった、インフレが引き起こした思わぬ“チェンジ”です。





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