ネパール

ネパール:カトマンズ

うえの ともこ

職業…ライター、旅行会社勤務
居住都市…カトマンズ市(ネパール連邦民主共和国)
ナマステ!
ヒマラヤ山脈の麓、摩訶不思議な国にて、てんやわんやの愉快な生活を送っています。
こんなことからあんなことまで主婦的目線でリポートします。

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水資源省前の塀

水資源省前の塀

レストランでお水を頼むとグラスに水が注がれて出てきますが、食堂のようなところでは、テーブルに水差しが置いてあるのみ。

さて、それではどうするのか?といいますと「グラスを持ってきて」と頼むのではなく、水差しを顔の近くまで持ってきて傾け、注ぎ口から直接大きく開けた口に水を流し込むのです!!
そのとき間違ってもその注ぎ口に自分の口が触れてはいけません。


「カルワ」という真鍮などの金属で出来た水差しも上手に傾けて、大きく開けた口に流し込みます

「カルワ」という真鍮などの金属で出来た水差しも上手に傾けて、大きく開けた口に流し込みます

ヒンドゥー教では「ジュト」という「穢れ」の概念が強くあり、他人によって「穢れた」ものに触れるとそのものを介して自分まで「穢れる」と考えられています。

水差しに口が触れると、水差しのみならず、中の水まで穢れてしまうということになるからです。その水差しは清められるまで「ジュト」の状態ということになり、忌み嫌われます。

親子や兄弟間であっても「ジュト」は「ジュト」。人とグラスを共有して回し飲みということはまずあり得ません。

直接口を付けていなければOK!ということのようで、食堂のテーブルの水差しは、赤の他人とでも共有できるのです。


ペットボトルの飲み物も同様に口を付けずに飲みます。しかしそれが自分専用であってもそうして飲む人が多いようです。

ペットボトルの飲み物も同様に口を付けずに飲みます。しかしそれが自分専用であってもそうして飲む人が多いようです。

しかしながら、道端で友達同士がタバコをまわして吸っていたり、ゴム風船を交代で膨らませているのを見かけることがあります。これはどういうことなのか?

「ジュト」の対極には「チョコ」という概念があり、これは「手付かずで穢れのない状態」のこと。それは衛生上という意味とはまた異なります。


お祭り会場の給水所での光景

お祭り会場の給水所での光景

さてこの飲み方、かなり難しく熟練?を要します。顔を少し上向き気味にして、水差しを傾ける角度とそのタイミングを計りながらのある種妙技ですね。

まだ素人の私は必ず服や首を濡らしてしまいますので、しないことにしています。




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