ブラジル

ブラジル:サンパウロ

大浦 智子(おおうら ともこ)

職業…フリーランス
居住都市…ブラジル国サンパウロ市

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ブラジルの中力粉の有力ブランド「ヘナータ」

ブラジルの中力粉の有力ブランド「ヘナータ」

 サンパウロの一般的なスーパーマーケットでは強力粉が売っていません。薄力粉はブランドも多く、量もたくさん売っていますが、自宅でパンなどを作りたい人にとって最も最適とされているのは、中力粉である「ヘナータ(Renata)
」というブランドの小麦粉です。

 パンを作るためにこの中力粉を購入しようとして、12月中、頻繁に小麦粉売り場を見ていました。すると、クリスマスが近づくにつれ、確実にこの中力粉が減っていき、クリスマスの一週間前には近所の小売店2軒で完売するという事態が発生していました。3軒目の小売店でようやく購入することができました。他の時期にはそのようなことはありません。

 どうして中力粉がこれほど売れ行き好調なのか、と悩んでいると、近くから声が聞こえてきました。
「ケーキを作る。クリスマスケーキ!」


ブラジルのパネトーネに入っている「フルッタ・クリスタル」

ブラジルのパネトーネに入っている「フルッタ・クリスタル」

 ブラジルのクリスマスケーキと言って思い浮かべるのは菓子パンの一種であるパネトーネです。イタリア移民がもたらした習慣が完全にブラジル化したのがクリスマスにパネトーネを食べる習慣です。

 ブラジルの雑誌では、イタリアでトニーという人が最初に作ったパンだったため、「トニーのパン」という意味で「パネトーネ」になったと紹介されていることもありました。

 昨今のブラジルではチョコチップやチョコクリームの入った「ショコトーネ」が人気を誇っていますが、元祖パネトーネと並んで、10月ごろから様々なブランドのパネトーネがスーパーやパン屋さんなどでドサッと山積みされて販売されています。


ブラジルで市販されているブランドの「ショコトーネ」と「パネトーネ」

ブラジルで市販されているブランドの「ショコトーネ」と「パネトーネ」

 クリスマスが近づくと、お世話になった人や友人などにパネトーネは配られるのが習慣です。標準サイズの500gのパネトーネは、市販のもので一個10レアルから20レアル(500円から1000円)くらいです。これを何十個も購入していると、結構な出費になる人もいるに違いありません。「趣味もかねて作ってしまおう!」という人がいても不思議ではありません。

 クリスマス前、にわかに中力粉の売れ行きが増加するのは、パンの一種であるパネトーネを自分で作る人が増えることに起因していると考えられます。

 ブラジルのパネトーネには「フルッタ・クリスタル」と呼ばれる砂糖漬けのフルーツや干しブドウが加えられます。フルッタ・クリスタルは100gが60センターヴォ(約30円)で、やはりクリスマス前にはよく売れています。

 パネトーネはパンの一種なので手作りは労力がかかりますが、現代ではブラジル製でも日本製でも、ホームベーカリー(パン焼き器)なら材料を機械に入れておくだけで簡単に焼きあげることも可能です。


クリスマス前のスーパーマーケットで山積みにされた「ショコトーネ」と「パネトーネ」

クリスマス前のスーパーマーケットで山積みにされた「ショコトーネ」と「パネトーネ」


ホームベーカリーなら簡単に焼きあがるパネトーネ

ホームベーカリーなら簡単に焼きあがるパネトーネ


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