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台湾:台北

小川 聖市(オガワ セイイチ)

職業…日本語教師、ライター

居住都市…台北市近郊の新北市(台湾)

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敗者復活戦2試合目で逆転勝利し、喜びを爆発させる新榮高中(シンロンガオジョン)の選手たち

敗者復活戦2試合目で逆転勝利し、喜びを爆発させる新榮高中(シンロンガオジョン)の選手たち

 以前、下記URLにて新榮高中の田本玉(ティエン・ベンユィ)ヘッドコーチを紹介させて頂きました。
http://www.ima-earth.com/contents/entry.php?id=2012110161751

 今回は、そちらで予告した、田HCと新榮高中の選手たちの様子を紹介させていただきます。


田本玉HC。このとき、病院へ搬送された翌日で、体調不良の状態でした

田本玉HC。このとき、病院へ搬送された翌日で、体調不良の状態でした

 新榮高中は大会初日から3連勝。
 様々な状況から、予選突破は確実視されていました。

 しかし、第4戦と最終戦に敗れたことで状況が一変。
 3勝2敗で3チームが並ぶことになり、最終戦に13点差で敗れたのが響き、当該チーム同士の得失点差で最終日の敗者復活戦にまわりました。

 その現実から、田HCは試合終了後豪快に泣き崩れ、立ち上がれない状態になり、救急車が出動。そのまま高雄市内の病院に搬送されました。7年前にも妊娠中に試合に臨み、救急車で搬送されたことがあるそうですが、今回もその時と同じ過呼吸でした。

 搬送後は、点滴を打っただけですぐに病院を出て宿舎のホテルに戻りました。


5ファールで退場になった直後の主力選手の様子。ここから逆転劇が始まりました

5ファールで退場になった直後の主力選手の様子。ここから逆転劇が始まりました

 そして、迎えた翌日の敗者復活戦。
 田HCの前日の様子を紹介した新聞報道の影響で、バスケットボールとは全く無縁のTV局が田HCやチームの取材に訪れ、会場には異様な雰囲気が漂ってました。

 田HCは体調不良でありながらも、ベンチに入り、2枚目の写真のようにチームを引率したものの、2試合目途中でベンチから下がって静養しました。


追い上げ中のベンチ。この気迫がはなかなか出ないところが、田HCの最大の悩みでした

追い上げ中のベンチ。この気迫がはなかなか出ないところが、田HCの最大の悩みでした

 そんなコーチの体を張った姿に触発されたチームは、第1試合逆転負け、第2試合でも残り2分8秒で48ー57という崖っぷちの状況から、16点取り64ー59で逆転勝ちしました。

 その2分8秒は、神がかり的な光景で、意志の弱さが見え隠れし、煮え切らないところがあった選手たちが昇り龍の如く成長していった瞬間でもありました。


コーチに抱かれ、涙する選手

コーチに抱かれ、涙する選手

 最後の試合でもぎ取った1勝で、2月4~10日に開催される準決勝リーグに進出が決まり、トップの写真へとつながっていきます。試合終了後は、上の写真のように涙を流して歓喜に浸る選手たちの姿がありました。

 一方で田HCのもとには、2日連続で救急車が出動しました。
 幸い、病院には行かなかったものの、私にいつも見せている元気で明るい姿は全くありませんでした。

 前日、涙に暮れ、救急車に乗る田HCの姿を見ていただけに、私は涙無しでは見られなかった試合でした。
 


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